過去ログ - 上条「俺は、美琴が好きなんだ」フィアンマ「……」
1- 20
878: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/08/04(日) 00:57:38.41 ID:7NQGR9Tl0

通話を、終えた。
揺らぐ視界は酷くぼやけている。
垣根は携帯電話をポケットへしまった。

わるくない、人生だった。

ぽつりと、そう評価する。
自分の人生は、そんなに悪くなかった。
少なくとも、彼女に会えたことだけは、良いことだった。

幼い頃から『置き去り』として、モルモット扱いをする研究所に育ち。
気がつけば暗部組織のリーダーで。
暗部そのものを潰すために、統括理事長との直接交渉権が欲しくて。

「……」

その頑張りを、彼女だけは認めてくれた。
讃えて、あまつさえ微笑みかけてくれた。

自分は、彼女を傷つけたのに。
最終信号を傷つけたのに。

誰からか許されたい彼女はきっと、自分以外にも沢山の人を赦し続けた。

「……フィアン、マに」

知らず、笑みが溢れ出た。
訪れる死の予兆は、何だか温かい。


目を閉じた垣根の網膜の裏。
ゲームセンターで一緒に遊んだフィアンマの笑顔が、焼きついていた。





「すき、だって……いっとけば…良かった、なあ………」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/509.66 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice