過去ログ - 上条「俺は、美琴が好きなんだ」フィアンマ「……」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2013/08/05(月) 20:42:43.22 ID:aHPkyzUW0
霊装を破壊するまで時間がかかる。
願わくばフィアンマが当たり障りのない会話でオッレルスの気を引くことを。
オティヌスはそう告げたきり、黙りこくった。
一方通行は静かに時間を持て余し、どうしようもない焦燥感に何度目かのため息を飲み込んだ。
「…この非常事態に世間話というのも何なのだが」
「…あン?」
視線を向ける。
そこには一人の男がいた。
ずっと昔、顔を見たことがあるような気がする。
彼はベルシ。
『グレムリン』の正規メンバー。
或いは。
木原一族の生み出した異端の青年、木原加群。
「木原病理という女を知っているか」
「あァ?」
聞き返し、一方通行は少し考え込む。
ふと、垣根の言葉を思い出した。
『自分を開発した野郎を超えなきゃダメだと思って殺ったんだが、だからといってレベルアップするモンでもなかった』
『開発? …誰だよ』
『木原病理。木原一族特有のなかなか良い戦いっぷりだったけど、俺の壁にゃならなかった』
一時期、彼女を守れる程に強くなろうと意気込んだ彼は、そう話していた。
一方通行はそっくりそのまま、木原加群に打ち明ける。
彼は僅かに息を止めて衝撃を受けると、うなだれた。
「…そう、か」
「……」
眉をひそめる一方通行。
眠そうな黒小人少女が、薄く、安堵の笑みを浮かべて言った。
「…復讐、しない内に終わったみたいだね。ベルシ」
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