過去ログ - 上条「俺は、美琴が好きなんだ」フィアンマ「……」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2013/08/06(火) 21:56:31.20 ID:UA5Wq/2b0
「…先に話した内容からわかるように、俺は貴族の家の次男だった」
父親は長兄に家を継がせると言い。
無能な長兄は将来に確定した財産に甘え。
母親は父親の言いなりで、自分を愛してはくれなかった。
習い事を真面目にやっても褒めてくれない。
食事は一人だけ粗末なものという場合もあった。
『お前は兄の予備<スペア>なのだから、それなりに優秀で、生きていれば良い』
そう言い聞かされて育った。
勉学にしても運動にしても、兄より優っている自覚はあった。
だというのに、周囲は決して自分を褒めなかった。
唯一、使用人見習いの少女だけは、少し褒めてくれたものの。
二歳程年下であった彼女の褒め言葉はいまいち染み込まなかった。
「いつでも代用品扱いで、一人の人間として扱われているかすら怪しかった」
そして、そのことが悔しかった。
だから、自分は魔術を学ぶようになった。
多くの原典に手を出し、家を出て、魔術師となった。
一度として、人生において成功したことがない。
誰かに愛されたことも、誰かを愛したこともない。
「……好きになった人間は、君が初めてだ」
理由は、執着。
そして、初めて自分にそれを抱かせてくれた人間だから。
でも、やはりそれは能力被害の結果だな、とフィアンマは思う。
今の流れに何一つ。
自分に対しての好意要素が、一つも入っていないから。
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