過去ログ - リヴァイ「俺が何者なのかを証明しよう――この大物を釣ることによって」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]
2013/07/15(月) 21:54:09.02 ID:TMIUBM/d0
(負けられねぇんだよ、俺は――!)
うなじ、
肩、
腕、
胴体、
脇腹、
背中、
太もも、
腱。
在りとあらゆる箇所に刃を叩き付け、同時に迫る拳の乱舞を掻い潜る。
一秒事に神経を磨り減らす攻守一体の攻防は、呆気なく結末を迎えた。
――パキンッ。
何度目かの斬撃により双刀は砕け散り、宙にまばゆく舞っていく。
もはや予備刀は左右に一本ずつしか残されていない。全てを目の前のクソ巨人に費やしてしまった。
それを認識したと同時に、長い射程を誇る拳の間合いから逃れるようにアンカーを射出し、獣の巨人から大きく距離を取った。
手短な民家の屋根に着地した時、全身を激しい疲労感が圧し掛かってくる。
感覚の増幅は強制的に解除されていた。
「ぜぇ……はぁ……はぁ――」
息が苦しい。ほぼ無酸素状態に加え極限での機動は、膨大な体力を消耗させた。
しかし、
「……やってられねぇな」
15メートルは距離を取っただろうか。遠く離れた獣の巨人を視界に収め悪態をつく。
不意を打った初撃から、3分が経過したぐらいだろうか。
あれほど斬り付けたと言うのに……視認する限り、何のダメージも与えていないのが丸分かりだった。
刈り取ったうなじの体毛も、すでに再生を終えてしまっている。
10秒。たった10秒の間が開くだけで、体毛は元通り。全て水の泡だ。
僅かばかり、心が萎えるのを感じた。
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