過去ログ - リヴァイ「俺が何者なのかを証明しよう――この大物を釣ることによって」
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200:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/23(火) 23:25:13.18 ID:glQvPKuF0

「逃げるなって言ってんだろォが!!」

「――チッ」

民家を踏み潰し、飛び掛ってきた獣の巨人を避ける。
軌道を変えて、左へと進路を変える。

「……ゆっくりと思考する暇もねぇな、クソッタレ!」

殺気を感じて、身体を捻り急降下した。その空間を投擲物が切り裂いていく。

「ニガサない……絶対にニガサないぞ!」

形振り構わず、拳を振り距離が開けば投擲物を放ってくる。

避け、逃げ、避け、また逃げる。

ずっとこの繰り返しだ。最短距離を一直線に進んでいたら、命が幾つあっても足りやしない。
速度で負けているのだ。
通るルートに障害物となる民家や建物に助けられているが、それすらも微々たる影響しか与えられない。

ジリ貧の戦況。
なにより不味いのは――ガスの残量だ。

もう……残りは僅かしか残っていないだろう。それが分かっていても……逃げ惑うしか選択肢は無かった。
死へのカウントダウンが着実に迫ってくる。

「……ッ」

風を切り裂く投擲物。

「……くっ!」

建物ごと巻き込み倒壊させる右の大振り。

「クソが……!」

人間大の瓦礫を幾つも握り、それを散弾のように放ってくる左の一閃。

成す術が無い。
刹那の生を掴み取る為に、大局的には絶対なる死が約束された状況。
人類を守る壁は、未だ遠く。そこに辿り付く事はないだろうと、何よりも己自身が一番知っている。


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