過去ログ - リヴァイ「俺が何者なのかを証明しよう――この大物を釣ることによって」
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202:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/23(火) 23:27:38.04 ID:glQvPKuF0

自分がいる周囲は、大通りが十字路となって交差して、十字路の周囲には大小、様々な建物がひしめいて建っている。その一つの目星をつけた。
高く、広い建物。
五年前に放棄されたまま原型を保っている、兵舎も兼ね備えていた見張り塔だ。

高さは悠々と20メートルを越える。

……立体機動装置を失った今、お誂え向きの建物に違いないだろう。
入り口へと駆けて、建物内へと進入した。直後――戦場で慣れ親しんだ死の警戒音が脳内に鳴り響いた。
横に飛び、伏せる。
轟音。
衝撃が全身を襲い、建物全体が震撼し揺れた。
巨大な瓦礫が見張り塔内部に飛来してきたのを、咄嗟に避けたのだ。頭上を突き抜けていった瓦礫は、内装をズタズタに引き裂いてしまっている。
建物が崩れ落ちなかったのは運が良かった。
入り口を見れば、壁が崩れ人が通れる隙間がなくなっていた。その入り口としての機能を失った隙間から、

「――ミツケタ」

獣の巨人の体躯が覗かせていた。
ダッ、と建物の内部へと走る。入り口は封鎖されて通れず、仮に通れても踏み潰されるだけだ。
追い詰められた袋の鼠。
局地的な大地震でも襲い掛かったように、建物全体がグラついた。
軋みを上げる建物はゆっくりと倒壊の兆しを見せている。頭上からパラパラと土埃が舞い、壁や天井の一部分が罅割れてくる。

「……頭に血が上りすぎだろ、クソ巨人め」

建物に逃げ込んだ獲物を狙うのではなく、建物自体を潰して圧死させようとしていやがる。
あの巨躯だ。こんな建物を更地にするのは数分もかからない。……低脳は扱いやすいが、加減を知らないのが困る。

走る、走る、走る。
急げ、急げ、急げ。

――生きる為に、勝つ為に、抗う為に!

一際大きな大きな衝撃が建物を揺さぶり――天井が落ちてくる。
視界が真っ暗に染まった。頭部に何かが当たったのか、額にヌメりが流れてきた。絶対に諦めねぇ……その意思だけを残して、意識も闇に堕ちていった。


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