過去ログ - リヴァイ「俺が何者なのかを証明しよう――この大物を釣ることによって」
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211:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/05(月) 23:16:41.60 ID:onjTWGp30

「……ウウン?」

背後から鼓膜に轟くような音が幾つも弾けたかと思った時には、巨躯に衝撃が走り、粘り気を含む液体が大量に全身を濡らしていた。

立体機動装置が登場する以前に、対巨人主力兵器であった壁上固定砲。
それが13メートルの高さの建物から幾つも火を噴いたのだ。発射されたのは、ぶどう弾のように発射と同時に拡散していくタイプ。
しかしぶどう弾その物では無かった。
人類が密かに開発してきた秘密兵器。女型の巨人捕獲作戦で使用された特定目標拘束兵器と同じ、特別な巨人の為に備え準備された一品だ。
その効果は、ぶどう弾のように拡散しながら目標に飛散し、接触すると同時に砲弾は弾け、内部に詰められていた液体を目標に付着させるのが狙いである。
ぶどう弾のように部位破壊能力もなければ、榴弾のように殺傷能力もない。巨人を相手取るには、威力不足は否めないだろう。
現に獣の巨人は、びくともしていなかった。
何のダメージも負わず、この特殊砲弾が飛んできた背後へと振り返ろうとしている。

「ダレもいない……?」

その建物には人の影は存在しなかった。ただ役目を終えた幾つもの壁上固定兵器が、煙を吹きながら野晒しになっている。

「なんだコレ。クサイ……」

全身を濡らす液体と、周辺にブチ撒けられた液体の異臭に、獣の巨人は顔を顰めた。
そして、この新兵器の真価がベールを脱ぐことになる。壁上固定兵器とは全く別の方向から、無音の風斬り音が獣の巨人に迫る。
それは矢。
矢尻を真っ赤に灯らせた一筋の矢が、閃光となって巨人の二の腕に直撃する。

それは絶対防御を誇る体毛に阻まれ、刺さる事は無かったが。間違いなく、役目を果たしたのだった。
矢尻に灯る灼熱の炎が、巨人に付着した液体に接触し――業火となって巨人を包み込んだ。



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