過去ログ - リヴァイ「俺が何者なのかを証明しよう――この大物を釣ることによって」
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219:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/05(月) 23:32:43.39 ID:onjTWGp30

「……十分だな」

20秒もあれば巨人を殺すのなど容易い。それも……無力化された巨人なら尚更に。
トリガーを引き絞り、アンカーを射出した。飛ぶ。狙うは今も尚、燃え盛るうなじだ。一撃で決める。綺麗に削ぎ落として、それでお仕舞いだ。
感覚の増幅は最大限に。もはや躊躇いはない。ゆったりと流れる空間の中で、一直線にうなじに向けて飛ぶ。
容易い工程だ。もはや敵の無力化には成功している。
だが、

「……諦めが悪りぃな、クソ巨人」

無力化されていたはずの獣の巨人が、行動を開始していた。
両目を覆っていた両手を、うなじ部分へと持っていたかと思えば、燃え盛る体毛ごと包み込むと――表面の肉ごと広範囲に渡って削り落とした。
皮を剝ぐ音と血液が首から溢れ出し、胸元を濡らしていく。

その目的は。

燃え盛る体毛と肉の表面を削り落とし、新しく再生した肉と体毛で、この危機を脱しようとする魂胆なのだろう。
それを示すように、左手はうなじを守るように押さえつけながらも、右手は敵を撃退するように何も無い空間を大きく薙いでいる。
視界が闇に埋もれた今、それは闇雲でしかないが、十分に脅威ではある。
大きく削り取られたうなじ部分の体毛は、再生を終えてももはや燃え移る事はないだろう。
そして再生しきる時間さえ稼げれば、もはや獣の巨人を脅かす可能性は限りなくゼロになるのだから。

それら全ての行動は、間違いなく理に叶っていた。
生き残る。
その一点だけに集中した行為は、兵法としても理に叶っている。


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