過去ログ - リヴァイ「俺が何者なのかを証明しよう――この大物を釣ることによって」
1- 20
232:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/12(月) 22:33:18.72 ID:Vbjiezhr0

地響きが連鎖する。地面を踏み潰し、進撃する足音。それは幾つも、幾つも、重なり押し寄せてくる。巨人の大群だ。

「やられたな」

吐き捨てる。文字通り、朱が混じった唾を地面に飛ばして。
この光景は知っている。
女型の巨人を捕獲しようとした時と、まったく同一のものだ。やってくれる……。

「自らの身を犠牲にして……否、違ぇな。自分一人じゃ死にきれねぇから、俺を道連れにしようって腹か」

あの断末魔には、周囲の巨人を引き寄せる意味があったのだろう。
ヤツ自身が自ら遠ざけたってのに、勝手なモンだ。引き寄せられている巨人共も、エサを前にして待てを命じられていたのだ。それを解除された今や、きっと腹を空かせていることだろう。
現に周囲360度から、怒涛の勢いで地響きが迫ってきている。その総数は……10や20ではきくまい。
最悪にも程がある、冥土の置き土産と言ったところか。

「……」

抱えていた獣の巨人の本体を捨て、懐から紙とペンを取り出す。

“裏切り者の末裔”“ヤツらは何かを捜し求めている”“それは壁の奥にある可能性が高い”“人類と巨人は何かしらの因果関係がある”

手当たり次第に、知りえた情報を書き殴っていく。
字体が歪んでいるが仕方ない。スピードを優先して、可能な限りの情報を書き込むと、その紙を獣の巨人に押し込む。
これで俺が死んだとしても、最低限の情報はエルヴィン達に伝わることだろう。もっとも重要な獣の巨人の死体と一緒に。
通常の巨人は、死体には注目しない。
だったら、

「てめぇらの狙いは俺なんだろう?」

呟き、飛ぶ。
獣の巨人の死体から、遠ざかるように。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
275Res/241.17 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice