過去ログ - リヴァイ「俺が何者なのかを証明しよう――この大物を釣ることによって」
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240:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/12(月) 22:59:30.27 ID:Vbjiezhr0

「帰るぞ、リヴァイ」

俺を抱きしめている野郎が言う。

「俺達の居場所へ」

ああ、帰ろう。俺達の居場所へ。

「そして……行こう。外の世界へ」

ああ、行こう。仮初の居場所でなく、本物の居場所を求めて。

「ここからだ。ここから我々、人類は再起の一歩をやり直す。この光景が、その証だ」

ああ、そうだな。その通りだ。
だから……まだ死なねぇから、んな力強く抱きしめるなよ。気色悪りぃ。半分死体みてぇな有様だが、俺は未だ生きている。生かされているんだろう。
この夢のような、クソッタレに。チクショウ、感謝はしねぇぞ。ありがとうなんて、絶対に言ってやらねぇ。

この世界は残酷で、この世界は無慈悲で、この世界は非道かもしれない。
だが、この世界は美しいんだ。こんなクソみたいな世界でも、大切な輝きを見つけさせてくれたのだ。それを俺は誰よりも知っている。経験則だ。
言っただろう?俺は確かに言った筈だ。

別に死に急ぐわけでも、無謀な特攻でもない。可能性は低いかもしれないが、この選択こそが一番勝算が高いと踏んでの行為だ。

て、な。
これは奇跡やご都合主義なんかじゃ、決してねぇ。ただ俺が賭けて、俺が賭けに勝っただけの話だ。だから俺は感謝はしねぇ。俺が発する言葉は。

「おせぇーんだよ……クソッタレ」

最大級の憎まれ口を。捻くれて捻じ曲がっちゃいるが、これが俺からの精一杯の返答だ。
きっと音としてまともに発音は出来なかっただろう。疲労からか唇さえ自由に動かせないのだから。それでもヤツには伝わったのか。

「おやすみ、リヴァイ。今だけは優しい夢に抱かれていてくれ」

……俺の意識が完全に闇に堕ちる寸前に、フッと笑っていやがったような気がした。


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