過去ログ - リヴァイ「俺が何者なのかを証明しよう――この大物を釣ることによって」
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248:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/08/18(日) 21:53:29.16 ID:eFwyLQUp0

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夢を見ていた気がする。夢なんて滅多に見ねぇし、見たとしても悪夢の類だけで、良い印象なんか欠片も持っていなかったが。
今回見ていたのは、優しい夢だった。
優しく温かすぎて、思わず目覚めるのが億劫になるほどだった。だが夢と言うのは、夢と自覚した時には醒めてしまう物で。
気付けば意識は覚醒し、視界には見知らぬ天井があった。

「ここは……?」

体は鉛みたいに重たいし、目覚めたばかりのせいか意識もふわふわと宙を漂っているようだ。
記憶が混濁している。
こうなる前の記憶が、どうしても思い出せなかった。己の体じゃないような倦怠感を自覚しつつ、頭を振るようにして身動ぎした。

俺は……俺はどうして此処で眠っていた?そうだ……俺は確か……。

混濁していた意識が鮮明になっていき、断片的だった記憶が蘇ってくる。

「獣の巨人と戦っていて……」

一つ思い出せば、次々に記憶の断片が浮かび上がってきた。
そのまま見知らぬ天井を睨みつけつつ、記憶の復旧に努めていると、それを阻害する声が投げかけられた。

「起きたのですか、兵長」

声の持ち主は。ミカサ・アッカーマン。
気付かなかったが、どうやら俺が横たわるベッドのすぐ近くにいたらしい。俺が起きる、ずっと前から。

「……意識はハッキリしていますか?聴こえていますか?」

その顔は無表情ではあったが、僅かばかり眉が八の字に曲がっているのと、問いかける声音が気遣わしげだった。
ああ……なるほど。
漸く全ての記憶が繋がってきた。どうやら俺は……。


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