過去ログ - リヴァイ「俺が何者なのかを証明しよう――この大物を釣ることによって」
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51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/03(水) 17:51:14.06 ID:pAzE59o20

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遠征当日。

比較的安全な場所に配置されるだろう、とハンジ達に説明を受けた俺は、当初の予定通りに壁外調査に出発したが。

「……クソッタレ」

腹の底から込み上げてくる嘔吐感を必死に堪えながら、一際大きな幹を持つ木の枝の上から、眼下を見下ろす。
そこには七メートル級の巨人が二体。こちらを物欲しそうな目で見ながら、聴覚を犯すような呻き声を発している。

「そんなに俺を食いてぇか」

舌打ちしながら、木の表面を掻き毟る巨人。
その浅ましさと醜さに、反吐が出そうになる。

「化け物が……てめぇらは汚ねぇんだよ」

双刀を構え、アンカーを打ち出す。

その瞬間。
全ての時間が停まったような感覚が全身を包み込んでくる。

いつもそうだ。
地下街で暴力を振るう時に、相手の拳や蹴り、全ての動作がゆっくりと流れるように映る。
感覚の増幅だろうか。相手はノロマな動きなのに対し、こちらは通常どおりの速度で動ける。
それ故に地下街では無敵を誇っていた。
無闇な暴力は嫌いだったが、あそこは血と暴力と死で溢れていた。奪うか奪われるか。必然的に身に着けた技術。
それを行使して、緩やかな速度の中、二体の巨人のうなじを削ぎ落とす。

「はっ!」

ガスを吹かし、最高速度でうなじを削り取ると違う木の枝に着地する。
崩れ落ちる巨人が、盛大な音を立てて地面に崩れ落ちるのを確認した。

「……やったか」

双剣のプレートは刃毀れしていた。もう使えないだろう。躊躇い無く捨てて、予備の刃を付け替える。
あれだけあった刃はこれで最後だ。ガズも残り僅か。

「ついてねぇな……」

もはや自分以外は誰もいない周囲を見渡しながら、これから先どうするべきか途方にくれた。


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