過去ログ - リヴァイ「俺が何者なのかを証明しよう――この大物を釣ることによって」
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69:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/05(金) 00:09:55.25 ID:tBMgcTkq0

「悪くねぇな……」

そう思った。
何も持っていない俺だったが、もしこいつらが俺を仲間だと思ってくれるのなら。
それは悪くねぇ、と本心から頷ける。

「……ハンジ。質問がある」

「なに」

「もう俺はてめぇらの仲間なんだよな」

「さっきそう言っただろう?」

「だったら……」

何も持っていなかった俺に、仲間という絆をくれると言うこいつら。
もし何かが返せるとするなら、

「だったら俺が巨人共をぶっ殺し続けたら、てめぇらは助かるのか」

そして。

「この住み難い世界も……ちっとは変わるのかよ」

弱者は踏みにじられ、それを見て強者が高笑いするような。
そんな残酷な構図を塗り替えられるのだろうか。
誰も彼もが些細な事で笑ってられて、巨人の恐怖に怯える事も、明日の食事や寝床の心配をせずにいられるような世界に。

「……君って案外、語るタイプだったんだね」

「チッ……俺は元から饒舌だ」

「そっか。……巨人がいなくなっても、そう上手いこと世界は回らないだろうけど。
 今よりはマシになるんじゃないかな。壁の外は広い……きっとそこには自由があるだろうからさ」

「……そうか」

俺は頷いた。
そしてこの時から俺は決意した。自由を象徴するエンブレムが印された外套を纏うことを。
何も持っていなかった俺は、もう何処にもいなかった。


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