12:ko
2013/07/01(月) 21:41:01.58 ID:D8oerTADO
翌日の午前中、俺と長門は、前に不思議探索のときに訪れた市立図書館に来ていた。
長門は、暗闇の中で光を求める虫のように、本棚の方にふらふらと引き寄せられて行った。
俺は、持ってきた宿題をテーブルに広げた。開館間もないこともあり、夏休みだというのに人は少なかった。
宿題を始めて、15分後、ついに、俺の集中力が切れちまった。
すまん、言い直す。
宿題を始めて、15分後、早くも、俺の集中力が切れちまった。
でも、これは頑張った方である。だってそうだろう?誰だって、明日が来ないかもしれない、などと考えたら、宿題なんてやっていられない、特に、面倒なことを嫌う、キング・オブ一般人である俺なら尚更だ。
もし、明日が来るようなことがあれば、潔く先生がたに怒られるさ。もちろん、谷口を道連れにするのは規定事項である。
ところで、古泉と朝比奈さんは、宿題をやっているのか?同じく、明日が来ないかもしれない、と考えてる二人はどうする気だ?長門なんかは、9月1日になった瞬間にやり始めて、瞬きをする間にやつけてしまうんだろうな。
人生諦めが肝心、昔の人は言いました。俺も偉大な先輩たちを見習うことにする。宿題を鞄に押し込んだ。
正午になる少し前、手持ち無沙汰となっていた俺は、何気無く、本棚の前で立ち読みしている長門を眺めていた。
長門「…………」
見慣れた長門の制服姿だ。谷口的美的ランキング、A−の顔を見て、眼鏡を取った長門は、A+にランクアップしても問題ないのでは、と思ってしまったのは、俺の一時の気の迷いのせいなのかね。
長門が本を戻すのを見計らって、
キョン「長門、少し早いが飯食いに行こうぜ」
長門「…………」
無言の長門はこちらを見て、こくりとうなずいた。
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