過去ログ - クリスタ「誰も私を知らない世界。」
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62: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/07/02(火) 12:47:22.93 ID:k7392AeAO
カルディナ「まぁ、憲兵に関しては僕も同感ですけど。」
クリスタ「あ、あの・・・」
キュクロ「ん?」
63: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/07/02(火) 12:47:51.06 ID:k7392AeAO
カルディナ「もちろん何も悪い事はしてませんよ。無実の罪で投獄されてたんです。まぁ、例えるなら貴女が生まれながらにしてその“美貌”という罪を持っているのと似たような物ですかね。」
カルディナ「それで、危うく殺されそうなところを間一髪、内部の方の手引きで助けられ無罪放免となったという訳です。」
キュクロ「だから潔白の身とは言え、一度拘束された憲兵団をおいそれと訪ねるのは気が引けるんだ。」
64: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/07/02(火) 12:48:59.73 ID:k7392AeAO
カルディナ「とは言え、いつまでもヒストリアさんをここに置いてはおけませんよ。今日は幸いお正月だから教官方も他の訓練兵も帰省や遊びで不在ですけど、明日には誰か帰ってくるでしょう。」
キュクロ「工場都市で匿ってもらうのはどうだ? ちょうど明日は俺も向こうへ帰る。」
カルディナ「なるほど。そうですね。ゼノフォンさんに事情をお話ししてみましょうか。」
65: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/07/02(火) 12:49:37.40 ID:k7392AeAO
カルディナ「そして、僕らを冤罪から救ってくれた恩人の一人でもあります。変わり者ですが話の分かる方ですよ。」
この二人が信用を置くからには、きっと頼りになる人物なのだろう。
66: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/07/02(火) 12:50:21.88 ID:k7392AeAO
キュクロ「よし。じゃあヒストリアの件はこれで解決だな。俺は訓練に行ってくる。」
クリスタ「訓練? 今はお正月休みじゃないの?」
カルディナ「自主トレですよ。ストイックなんです、彼。」
67: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/07/02(火) 12:54:02.35 ID:k7392AeAO
再び座学で習った内容を思い出した。
立体機動装置はその扱いがあまりに難しく、完成から兵士の正式装備として日の目を見るまでに15年を要したという。
そして今は、その記念すべき立体機動装置元年とでも言うべき789年。
68: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/07/02(火) 12:55:56.02 ID:k7392AeAO
クリスタ「ん、ん〜・・・・・・どうかなぁ。分からない。記憶が曖昧で・・・」
記憶喪失という設定を隠れ蓑にして、どうにかはぐらかそうと試みる。
69: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/07/02(火) 12:57:19.82 ID:k7392AeAO
キュクロ「じゃあ、俺は訓練に行くけど、ヒストリアはどうする? カルディナとここで待ってるか?」
カルディナ「良いですねぇ。昼下がりの密室に僕とヒストリアさんの二人きりですか。これは訓練兵舎という楽園を追われる新たなアダムとイブの誕生ですね。」
クリスタ「あの・・・それはちょっと・・・」
70: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/07/02(火) 13:08:58.68 ID:k7392AeAO
―訓練場に隣接する森―
キュクロ「よし。始めよう。」
カルディナ「お互い、怪我のないように注意しましょうね。」
71: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/07/02(火) 13:10:07.34 ID:k7392AeAO
二人の腰からアンカーが射出される。
ここへ来る途中でカルディナから聞いた話によると、立体機動装置は兵士の正式装備はおろか訓練科目にすら採用されていないらしい。
それ故、教官であるホルへ・ピケールにその才能を見出だされたキュクロら一部の訓練兵は、日頃の自由時間を返上して“補習”という名目で立体機動訓練を行なっているという。
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