44: ◆hOVX8kZ7sLVS[saga]
2013/07/02(火) 22:50:09.33 ID:bAq3pyUe0
人の噂も七十五日という言葉があるが、その通りだ。
ようやく十月に差し掛かろうとしていた。
その頃には誰も都市伝説を語らなかった。
その話をすると「遅れてるなあ」なんて言われるのだ。
最近の学校での流行りはドラマなどが主流なのだという。
どうにも僕は関心が持てず、しかし話の種に見ていた。
「ドラマ。初めて知った。わたしも人と話さないから」
「僕の場合は話せないだけだよ。チャンスがまず無い」
君の場合は話しかければ男子なら狂喜乱舞すると思う。
そんな事は口に出さずに、適当な会話を続けていった。
「前も言ったけど、そっちは君の家の方向じゃないよ」
「いいの。今日はちょっと、寄るところがあるのよ」
そっか、なら、ここでさよならだ。それじゃあばいばい。
うん。ごめんなさい、それじゃあ。気をつけて帰るのよ。
まるで母親の如く心配する彼女に吹き出してしまった。
となれば僕にはやることがない。家に帰ろう。
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