6: ◆hOVX8kZ7sLVS[saga]
2013/07/02(火) 22:24:19.85 ID:bAq3pyUe0
今日も輝く衣装を身に纏い、母が保育園に参上していた。
ばいばい、などと手を振る僕を見て、母は嬉しそうに笑った。
「あんたなかなか女見る目あるじゃない」なんて言っていた。
「お祝い」として買ってもらったお菓子に、僕は喜んでいた。
「あんたは、不細工だけど、絶対にいい男になると思うわよ」
毎度の如く不細工を連呼するのは止めてほしいと思う。
愛されているのにそうではないと勘違いしそうだった。
「へえ。なんで。不細工だけどいい男って、矛盾してない?」
「ああ。あんたたちは、男前とか、イケメンの事を言うのか」
「ううん。難しいわねえ。奥深い人間の事を言うのかしらね」
「そりゃ、顔がいいに越したことはないけど、重要よ、これ」
「あんたは、人より不幸の数が多いし、自然とそうなるわよ」
あたしがあげられる、幸せのかけらかしらねえ。そう言った。
そんなものなどなくとも、僕は十分に幸せだったと思えるのだ。
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