42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/05(金) 04:04:01.72 ID:7P6Coc+b0
少年の手にリンゴが収まった。
それを大事そうに両手でくるんでいる。
「どうして、私の名前を?」
「このリンゴが教えてくれたんだ」
「……」
この子、電波系なのだろうか。
普段なら真っ先にその線を疑ったはずだが…
暮れなずむ街並み。逆行で見えない少年の顔。不思議なほど静かな空気。
なんとなく非日常に迷い込んだ、そんな雰囲気が、
少年の不可思議な発言をすんなり受け入れさせた。
それにしても、どうして彼にはあたしの名がわかるのに、
あたしは彼の名が分からないのだろう。
名も顔も分からない。
黄昏。誰そ彼。
すれ違う人が知り合いか、はたまた彼岸の住人なのか
曖昧に濁される時間帯だ。
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