過去ログ - 打ち止め「とある科学の最終信号!ってミサカはミサカは宣言してみる!」
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icoi
◆3FE3k//nSQ
[saga]
2013/07/03(水) 17:01:11.51 ID:xkdr3CT00
「待てやこのガキぃ!!」
「ちっくしょ、なんつー逃げ足の速さだ……」
「おいコラ観念しろ! この路地裏で俺たちから逃げ切れると思ってやがんのか!?」
「はっ、は……。大体、待てって言われて待つヤツなんか、いるわけないにゃあ……!」
威勢の良い怒鳴り声を浴びて、人形のように整った容姿の少女が、途切れ途切れの呼吸混じりに減らず口を叩く。
追われているのは、金髪の少女一人だけではなかった。
柄の悪い男たちの十数メートル先をひた走る彼女は、その右手で袖口を引っ張るもう一人の少女に目配りする。
「……もうっ! 大体、もっと速く走れないの!?」
「ひ、ごめんなさ……あ、足が、震えて……!」
件のヤンキー集団に絡まれていたところを助けられた女子中学生は、半泣きのグシャグシャな顔でそう呻いた。
脅迫まがいの強引なナンパで連れていかれそうになっていた矢先なのだから、彼女の怯えようも仕方ないだろう。
が、同情を寄せたところでこの状況は一切好転しない。
(……この辺の土地勘は私にもあるけど、路地裏はスキルアウトのテリトリー、あいつらの方が詳しいに決まってる。
となると、抜け道を探して出し抜くのは無理。……大体、そう長くは逃げられない……!)
短めに切り整えたふわふわの金髪を揺らして、フレメア=セイヴェルンは爪でも噛みたそうな表情のまま思考を巡らせる。
並々ならぬ経歴を持つ保護者達から『逃げ方』の手解きを受けてきた彼女ではあるが、如何せん連れ立つ人間がネックだ。
自分一人の身を守る分にはどうとでもなる。しかし、傍らの少女の体力には、正直あまり期待できそうになかった。
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