過去ログ - 打ち止め「とある科学の最終信号!ってミサカはミサカは宣言してみる!」
1- 20
4:icoi ◆3FE3k//nSQ[saga]
2013/07/03(水) 17:02:00.59 ID:xkdr3CT00


「……にゃあ! とにかくこっち!」


 狭い角を曲がり、一時的に不良達から姿を隠したタイミングで彼女は再度口を開く。


「──大体、二手に分かれよう」

「っ、え……」


 囁かれた言葉に被害者の少女は不安げな顔つきになるが、生憎とそれに構っている猶予は無かった。


「そうすれば、連中は大体私を追い掛けてくる……一人になったら、あなたは大通りまでダッシュするんだ。
 私の『友達』が、近くにいるはずだから。一緒にここを離れて」

「っ、そんな! それじゃあなたが……!」

「そんなこと言ってる場合じゃ──、にゃあっ!?」


 パニックに陥る少女を叱りつけようとしたフレメアは、そこで思わず悲鳴を上げてしまう。
 突然真横から手首を掴まれ、そのまま少女もろともビルの隙間に引き込まれたのだ。


「む、ぐ……っ!?」


 ひたりと冷たい手に口を塞がれ、背筋を凍らせるフレメア。
 不良グループに回り込まれたのか──とっさにそう思い至り、背後の存在に肘鉄を喰らわせようと身構える。

 だが、耳元に寄せられた声は、拍子抜けするほどに聞き慣れたものだった。





「……お迎えに来ました」

「!!」





 少女二人を難なく抱え込む両腕の細さにも、頭上から降りかかる長い銀髪にも。
 フレメアには大いに心当たりがあったし、また、彼女の顔にいつも通りの笑みを浮かべさせるには、それだけで十分だった。


「──『お姉ちゃん』! 大体、来てくれたんだな!?」


 口の戒めを解かれたフレメアの弾む声に仰がれた少女──フロイライン=クロイトゥーネは、曖昧な表情でそっと頷いて見せた。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
438Res/393.85 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice