過去ログ - 打ち止め「とある科学の最終信号!ってミサカはミサカは宣言してみる!」
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icoi
◆3FE3k//nSQ
[saga]
2013/07/03(水) 17:02:00.59 ID:xkdr3CT00
「……にゃあ! とにかくこっち!」
狭い角を曲がり、一時的に不良達から姿を隠したタイミングで彼女は再度口を開く。
「──大体、二手に分かれよう」
「っ、え……」
囁かれた言葉に被害者の少女は不安げな顔つきになるが、生憎とそれに構っている猶予は無かった。
「そうすれば、連中は大体私を追い掛けてくる……一人になったら、あなたは大通りまでダッシュするんだ。
私の『友達』が、近くにいるはずだから。一緒にここを離れて」
「っ、そんな! それじゃあなたが……!」
「そんなこと言ってる場合じゃ──、にゃあっ!?」
パニックに陥る少女を叱りつけようとしたフレメアは、そこで思わず悲鳴を上げてしまう。
突然真横から手首を掴まれ、そのまま少女もろともビルの隙間に引き込まれたのだ。
「む、ぐ……っ!?」
ひたりと冷たい手に口を塞がれ、背筋を凍らせるフレメア。
不良グループに回り込まれたのか──とっさにそう思い至り、背後の存在に肘鉄を喰らわせようと身構える。
だが、耳元に寄せられた声は、拍子抜けするほどに聞き慣れたものだった。
「……お迎えに来ました」
「!!」
少女二人を難なく抱え込む両腕の細さにも、頭上から降りかかる長い銀髪にも。
フレメアには大いに心当たりがあったし、また、彼女の顔にいつも通りの笑みを浮かべさせるには、それだけで十分だった。
「──『お姉ちゃん』! 大体、来てくれたんだな!?」
口の戒めを解かれたフレメアの弾む声に仰がれた少女──フロイライン=クロイトゥーネは、曖昧な表情でそっと頷いて見せた。
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