過去ログ - 打ち止め「とある科学の最終信号!ってミサカはミサカは宣言してみる!」
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icoi
◆3FE3k//nSQ
[saga]
2013/07/03(水) 17:06:51.92 ID:xkdr3CT00
「……………………ま、またやっちゃった……ってミサカはミサカは呆然としてみたり……」
十秒後。
ぜーはーと肩で息をする少女・打ち止めの足元には、放電の余波でぶっ倒れた死屍累々が所狭しと転がっている。
泡を吹いて気絶している彼らの前でおろおろしている彼女の姿は、端からどう見ても加害者のそれだった。
直接攻撃する意思が無かった分、彼女の言う『お姉様』の中学時代よりはいくらかマシなのかもしれないが──
かつて彼女を『暴力に頼らない真の善人』と評した上条当麻辺りが見たら頭を抱えだしそうな構図であることは否めない。
「い、一応この人たちに怪我はないみたいだけど……このままじゃ白井先輩にまた怒られちゃう、ってミサカはミサカは予想を立ててみる。
うわーんごめんなさいお願い起きてぇええええ!! ってミサカはミサカは始末書は嫌だと泣き叫んでみたり!!」
左腕に巻いた風紀委員の腕章の威厳も霞むほどの狼狽っぷりで、打ち止めは必死に不良たちの肩を掴んで揺さぶる。
ガックンガックンと顎を鳴らす少年たちは今にも舌を噛んでしまいそうだった。しかし動転した彼女はそんなことには一切思い当たらない。
──そんな中、背後からテクテクと近付いてきた二人組の存在は、ある意味その少年達にとっては救いの女神だったのかもしれない。
「にゃあ、大体また派手にやったな。というかこいつら生きてんのか?」
「先程の彼女は警備員に保護してもらいました。もうすぐ応援の人たちが駆け付けてきますから、気絶しているのなら都合がいいと思います」
「ふ、二人とも……ってミサカはミサカはギクリとしてみたり」
つんつん、と口に出しながら白目を剥いた男の頭をつつくフロイライン。
その傍らで、フレメアは腰に両手を当てて仰々しく打ち止めへ歩み寄ってきた。
庇護欲を煽るような愛らしい容姿の(そしてヒーロー修行中の)少女がその瞳いっぱいに湛えているのは、好敵手へ向ける不敵な笑みだ。
「……まったく、大体登場が遅すぎる上にコレとはつくづく情けないにゃあ、この子供め!」
「たっ、助けてもらったんならちょっとは大人しくしてろお子様め! ってミサカはミサカは反撃してみる!!」
そう。これは、平和を手に入れはじめた学園都市の物語──
少しばかり長いプロローグは、いつも通りのこんな応酬で幕を閉じたのだった。
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