846:モヤシンズグリード ◆TspHqBVqH9jK[saga]
2013/09/11(水) 23:38:31.72 ID:sXCb9grdo
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同時刻 地下鉄の構内
通話が終わるとシェリーは、携帯電話をエリスに向かって投げる。
ゴキッ、と金属が砕かれる音を響かせながら、
携帯電話はエリスの体内へと取り込まれていく。
連絡用に、と作業服の少年に貰ったプリペイド式の携帯電話だったが
彼女はそれを使うことばかり触る事さえも嫌っていた。
本来なら浮遊術式を用いることでエリスによるダメージを逃れていた彼女だが
上条当麻の右腕に殴られた事によって跡形もなく崩壊してしまった為
今やエリスに抱かれながら移動する羽目になっている。
シェリーは周囲を見渡すと、徐々にその顔が怒りに染まっていく。
コンクリートの地下が、その据えた匂いが、それによって汚された空気が
こんなものを作り上げた人間が、それだけの事が出来る力が忌々しかった。
結論から言えば、彼女がこの街が嫌いだ。
世界から消し去りたいとさえ願うまでに
今頃になって、殴られた頬が熱を帯び始める。
こんな街さえなければこんな事にはならなかった、と彼女は思う
「エリス」
彼女は何か思い出すようにそう呟いた。
その名は、元々ゴーレムにつけられた名前ではない。
エリスとは、二〇年前に死んだ一人の超能力者の名前だった。
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