過去ログ - とある熾烈の一方通行
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852:モヤシンズグリード  ◆TspHqBVqH9jK[saga]
2013/09/26(木) 21:50:42.43 ID:NUYEpYRdo
9月1日 午後二時三十五分 とある地下街


「だから! さっきのヤツはもう逃げたつっただろうが!
 さっさと地下街の封鎖を解除しろよ!」

「何度も言う様に、地下街の管轄はウチらとは異なるじゃん。
 こちらも連絡をつけてはいるが、命令系統がある以上
 封鎖が解かれるまでもう少し時間が必要じゃんよ」

「くそ!」


警備員の女性のその言葉に、上条は苛立ちを胡散するかのように壁を蹴る。
彼の顔には只ならぬ焦燥や不安がはっきりと浮かんでおり
その様子を見た警備員の女性が訝しむような顔をした。


「どうした? 何か問題でもあるのか?」

「それは……」

「お前らの顔を見たくねェだけっつの、クソババアが」


上条が何か答えようとする前に、一方通行は吐き捨てるように
そう言うや否や、そのまま一瞬の内にどこかへ消え去った。

恐らくベクトル変換を使って高速移動したのだろう。
足音どころか気配さえも完全に消えていた。

警備員の女性は一方通行を気にしている様子だったが
無線に連絡が入ったらしく、諦めたかのようにその場を離れ
専門用語のような略語を使って口論をし始める。



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