918:モヤシンズグリード ◆TspHqBVqH9jK[saga]
2013/10/20(日) 21:41:05.38 ID:ivDFo0iyo
「まさかとは思うが学園都市の脅威が虚数学区だけだと思ってないよな?
今回の一件で、イギリス清教の正規メンバーは警備員の手を借りて撃退したのだ。
その上、回収命令を受けた死神部隊の手によって両手首を叩き潰された。
聖ジョージ大聖堂の面々がこんな事を黙って見逃すとは到底思えない。
この街一つで世界中の魔術師を勝てるなどと本気で思っているのか?」
脅迫めいた土御門の言葉にも、アレイスターは一切動揺しなかった。
一切崩されないその笑みは、土御門を馬鹿にしてる様にも見える。
「魔術師など、あれなど掌握できれば取るに足らない相手さ」
「何? ―――まさか!」
土御門は一瞬眉を潜めたが、すぐにその表情が驚愕に染め上げられた。
虚数学区―――人間には見ることの出来ないもう一つの世界。
風斬氷華―――ある種の力の集合体によって構成させる生命。
彼は知っていた、それらの存在を魔術的にどのような意味を持つのかを
「アレイスター……お前はまさか、人工的に天界を作り上げるつもりか?」
「さあね」
アレイスターはつまらなそうにそう答えたが、土御門にとっては気が気でなかった。
人工的に天界を作り出す、しかも科学的な力によるものだけとなると
既存する言葉で言い表せない新しい『界』を生み出す事になる。
例えば、地球上の重力や浮力の数値が劇的に変化した場合
既存の数値で物体に掛かる力を計算しても解が出るはずがない。
それと同様に新たな『界』―――つまり魔術界のルールが掻き乱されれば
魔術はどうやっても発動せず、術の失敗は魔術自身の身を滅ぼす事に繋がる。
そして、その為の下準備はとうの昔に完成していた。
一方通行や上条の働きによって救われた数にして一万弱の妹達。
彼女たちは現在、治療目的で世界中の学園都市の協力機関に点在している。
つまり、現在世界中がAIM拡散力場に覆われている状態なのだ。
この状態で虚数学区が完成すれば、この世界で魔術を使う事は不可能になる。
そうなれば、科学サイドと魔術サイドが争えば勝敗はわざわざ考えるまでもない。
何も出来ないどころか自滅していく魔術師達に止めを刺せばいいだけの話だ。
もはや戦いと呼べるものではなく、処刑と言っても差し支えないだろう。
にも拘わらず、イギリス清教はそんな事態に全く気付いていない。
妹達が世界中に送り込まれた件には気付いている人間もいるだろうが、
せいぜい学園都市の内輪の問題の後始末程度にしか思っていない。
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