過去ログ - ガンパレード・パンツァー
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26: ◆sHQ8Cu7iCY[sage saga]
2013/07/06(土) 03:07:05.20 ID:Jw7ui/a30
みほは大洗に来る前、戦車道で一昨年まで全国大会9連覇だった熊本の黒森峰女学園に在籍していた
みほはそこの副隊長でもあった

熊本が幻獣戦の重要拠点であることから、戦車道履修者はほぼ確実に前線で戦車兵となることが望まれ、必然的に戦車道の授業も実戦を想定した形となっていた
特に隊長の西住まほは、強力な戦車道流派・西住流の師範でもある母・しほから薫陶を受け継ぎ、「撃てば必中、守りは固く、進む姿は乱れなし」と、磐石の戦力を持って大会十連覇を成し遂げる筈、だった


27: ◆sHQ8Cu7iCY[sage saga]
2013/07/06(土) 03:09:11.82 ID:Jw7ui/a30
昨年の決勝戦でみほは、川に滑り落ちる味方車輌を救出すべく単身川に飛び込み、自らが乗っていたフラッグ車を撃破され勝利を逃した
本来であれば、『道』を学ぶ戦車道において人命を優先したみほの行動は非難されるものではなかったかもしれない
だが、戦争の気運高まる熊本においては、大局を見誤った軽率な行動であると酷く叱責された
しかし、怒られるだけならばまだ良かった


28: ◆sHQ8Cu7iCY[sage saga]
2013/07/06(土) 03:10:11.12 ID:Jw7ui/a30
全国大会の後、まほは徴兵され学兵として戦地へと向かった
西住流の後継者であり、2年連続で好成績を修めたまほは当然期待された
事実、緒戦において彼女は大きな戦果を上げ、沢山の仲間の励みとなった
熊本において頭角を現しつつあった5121小隊と並び、彼女は人類の希望として軍のプロパガンダとしても大きく取り上げられていた
しかし、悲劇は起きる


29: ◆sHQ8Cu7iCY[sage saga]
2013/07/06(土) 03:11:17.21 ID:Jw7ui/a30
まほは、まるで決勝戦でのみほのように仲間を庇い、戦死したとの報せが届いた
詳細な情報はついぞ聞かされることは無く、また遺体の損傷が激しかった為、葬儀でも空の棺が使われ、みほはまほの遺体を見ることは無かった

だからみほは姉が亡くなったことに実感が持てず、しかし自分の行動がまほに影響を与え死なせてしまったのではないかと、頭の中でぐるぐると後悔の念が浮かんだ

以下略



30: ◆sHQ8Cu7iCY[sage saga]
2013/07/06(土) 03:11:50.21 ID:Jw7ui/a30
西住流の師範であり、自衛軍でも戦車隊を指揮していた母・しほは、まほの死によって抜け殻のようになってしまった
犠牲も厭わず敵を蹂躙する理念を持っていた彼女だが、娘の死に直面し、深い悲しみに包まれそれに囚われたまま帰ってこなかった


31: ◆sHQ8Cu7iCY[sage saga]
2013/07/06(土) 03:12:27.23 ID:Jw7ui/a30
もう一人の娘であるみほがどれほど声をかけようと、しほはまほを失った悲しみに打ちひしがれるだけで、みほを気にかけることは無かった
それがみほにとっては耐え難く辛かった

そしてみほは黒森峰から、戦車から逃げ出した


32: ◆sHQ8Cu7iCY[sage saga]
2013/07/06(土) 03:13:31.46 ID:Jw7ui/a30
みほの家に友達が訪れた翌日
その日は自衛軍より特別講師が来る予定となっていた
楽しみ半分、不安半分で登校するみほだが、その途中でふらふら歩く少女を見かける

みほ「大丈夫ですか!?」
以下略



33: ◆sHQ8Cu7iCY[sage saga]
2013/07/06(土) 03:15:07.09 ID:Jw7ui/a30
沙織「だまされた……」

どうやら沙織は教官がイケメン男性であると聞かされていたらしい
だがやってきたのは若い女性士官であった

以下略



34: ◆sHQ8Cu7iCY[sage saga]
2013/07/06(土) 03:16:29.27 ID:Jw7ui/a30
亜美「あら、西住さんじゃありません?」

亜美はみほの顔を見るなり、話しかけてきた
彼女は母に世話になったことがあるらしく、姉のことも知っていた
表向き、母は事情があり休職となっており、姉の戦死もプロパガンダのため一般には伏せられている
以下略



35: ◆sHQ8Cu7iCY[sage saga]
2013/07/06(土) 03:19:50.79 ID:Jw7ui/a30
蝶野教官の指導は実にざっくばらんとしたものであった
右も左もわからぬ生徒たちにとりあえず戦わせたのである
これにはみほも苦笑いであったが、久しぶりに乗る戦車に少々やる気が出ているのを感じた
それに亜美が「礼に始まり礼に終わる」と、きちんと戦車道としての礼節を重んじてくれたのも嬉しかった

以下略



36: ◆sHQ8Cu7iCY[sage saga]
2013/07/06(土) 03:21:04.99 ID:Jw7ui/a30
桃「え〜急ではあるが、今度の日曜、聖グロリアーナ女学院との練習試合を行うことになった」

授業のあとそう発表あり、本当に急な話であると、みほは思った
聖グロリアーナ女学院といえばかなりの強豪校である
ようやく戦車を動かせられるようになった、というレベルの大洗にはきつい相手であった


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