151:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/10/24(木) 15:33:46.51 ID:aPEj4/Cg0
医師はボロボロに擦り切れている上条の手を
包帯でやさしく巻いていく。
「痛くはないかい?」
「……大丈夫です」
上条は問いに答える。床のタイルに目を固定したまま。
医師はそんな上条の様子に眉をひそめる。
そしてゆっくりと口を開いた。
「先程も言ったけどね、考えすぎないほうがいい。
あの女の子は助かったんだから」
「……」
「確かに酷い状態だったよ? 私も最初見たときは目を背けたくなるほどの重症だった。
まさに『瀕死』の状態だったけど、命は取り留めた」
「命がある以上、私は救える。完璧にね
あの傷だって元のように、何も無かったかのように治せる。
私の腕は何度もここに入院している君なら知っているだろう?」
「だから気にしちゃいけないよ。私は医者だから人を救える。
でも、それは病院の中の患者だけだ
君があの子を運んでこなかったら確実に死んでた。
ここに来るのがもっと遅かったら救うことはできなかった」
「私の言いたいこと、分かるね? 君があの子を救ったんだよ」
「……」
上条は何も答えない。答えたくないからだ。目線をそのまま変えない。
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