155:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2013/10/24(木) 15:45:17.20 ID:aPEj4/Cg0
「ぅ…っ………っ……」
これが自分の本性だと思うと、並々ならぬ嫌気が差した。押さえきれない悲しみ、自分に対する失望感がジリジリと侵食する。
自分がやってしまったことについて。自分の人を助ける真の目的。
全て、最低だ。けど一番最低なのは、皆を騙していたということだ。
周りの人間は自分がこんなに汚いということなんて知らないだろう。
自分が人を壊すために助けていたことを夢にも思っていないのだろう。
皆、カエル顔の医師のように自分のことを思っているのかもしれない。
「み、んな…… ごめんなぁ……っ………」
滴る瞳の中に今まで関わった近しい人の顔が浮かぶ。
インデックス、子萌先生、青髪、土御門、吹寄、姫神、御坂、御坂妹、風切、ステイル、神裂、闇咲、
オルソラ、アニェーゼなど……たくさんの人の顔が思い起こされる。
信頼してくれている全ての人を騙している。自分がそんな狡猾な人間だという事実は
心を締め上げるのには十分だった。
涙を流しながら、おもむろに上条は力の抜けた右手で携帯を取り出す。
血は布でしっかりと拭いた。それでもまだ血痕が携帯電話の画面に点々と残っている。
着信履歴と言う文字が目に入る。
インデックスの顔が頭に浮かんだ。
(インデックスとの約束さえ守ることができなかった)
「俺はぁっ……」
「俺はぁぁぁあぁぁっ……」
上条は強引に掛け布団を引き上げ全身を包んで丸くなる。
泣き声を押し殺すように布団を噛む。
しかし、嗚咽は止まらない。
上条は殻に篭り、子供のように泣き続けた。
「俺は、化け物なんだ」
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