過去ログ - 恵美「もしも魔王の正体に気づかなかったら」3巻
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]
2013/07/06(土) 19:35:44.39 ID:6QX93pwdo
混乱しながらも、私も行かないととベルに渡した紙袋を拾う。
そこで気づいた。
恵美「あれ、貞夫……千穂ちゃんは?」
貞夫「そういやさっきから姿が……ああ?」
辺りを見渡すと、彼女は先ほど貞夫にかばわれた位置のまま動いていない。
もしやゲートの光が、普通の人間である彼女に悪影響を及ぼしたのか――そう焦りながら二人で近寄ると、
千穂「……ちゃった」
真奥「ん?」
千穂「……ぎゅって、真奥さんに、ぎゅって、されちゃった、えへへ、ぎゅって……」
実に幸せそうな笑顔だった。
……無言のまま貞夫を振り向く。
真奥「……あー……」
こちらに目を合わせずうめき声をあげる彼には構わず、
恵美「ていっ!」
千穂「きゃっ!」
千穂ちゃんの目の前で柏手を打つ。その音で彼女は我に返ったようだ。
恵美「千穂ちゃん、今それどころじゃないから、とりあえず魔王城行くわよ。貞夫も、ね?」
未だ混乱している千穂ちゃんと微妙な顔の貞夫に言って、階段へ向かった。
……そうよ、それどころじゃないんだってば!
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