過去ログ - 恵美「もしも魔王の正体に気づかなかったら」3巻
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26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/06(土) 19:43:24.90 ID:6QX93pwdo
翌日の仕事後、私は幡ヶ谷を訪れていた。
電話でも良かったが、一度貞夫と顔を合わせて聞いてみたいことがあったのだ。

マグロナルドの近くで待機し、客の列が途切れたタイミングを狙って店に入る。
千穂ちゃんはいないことを確認し、レジに立つ貞夫に向かって歩いた。

恵美「持ち帰りで、バニラシェイク一つ」

真奥「かしこまりました。……で、何だ? わざわざ」

私が単に寄っただけでもないことは分かっているだろう、怪訝な顔の貞夫が口調を崩す。

恵美「……大したことじゃないかもしれないけど、ちょっと聞きたくて」

恵美「どうしてアラス・ラムスを引き取ることにしたの?」

最初にベルが言い出したとおり、彼女に預けるのが自然だったはずだ。
どうしてその気になったのか。

恵美「千穂ちゃんに聞いたわ、あの子の養育費を稼ぐためにシフト増やしてるって」

言ってしまえば正体不明の謎の少女のために、何故そうまでするのか。

真奥「念のためさ。そこまで拘ってるわけじゃない。本当の親がもしいるならすぐ引き渡すよ」

真奥「ただ、確証はないんだが……ちょっと気になることがあってな、それでだ」

そう平然と言う彼に、何が気になるのか、とは聞けなかった。
それなりに彼と付き合ってきて分かったことだが、彼は基本的に、あまり人に相談というものをしない。
私が敵だったからかとも最初の頃は思ったが、どうやらそれは長年の部下である芦屋なども同じらしい。
ただ自分の決めたことを話し、余計なことは話さず、そして実行する。

なるほど、芦屋のように部下ならばそれで付いてくるのかもしれない。
だが私はそれだけではない……それで納まりたくはない、と思っているのだ。


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