過去ログ - 恵美「もしも魔王の正体に気づかなかったら」3巻
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34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/06(土) 19:47:17.59 ID:6QX93pwdo
恵美「ここにいるわよ。大丈夫?」

アラス・ラムス「うん……」

アラス・ラムスの額を帽子で隠しながらも、一瞬思った。

――この子が今呼んだのは、私なの?

その僅かな思いはすぐに掻き消えた。
目の前の女性が、アラス・ラムスの頭の上に手をかざしたのだ。

恵美「な、何をするんですか」

女性「黙ってて、すぐ済むから」

その手――左手の薬指には、紫色の宝石がはまった指輪。
光るそれに気を取られた瞬間、

アラス・ラムス「……う……う!? ん? う? あれ? ぱぱ?」

アラス・ラムスが、何事もなかったかのように起き上がった。
その額に、紋様は既になかった。

アラス・ラムス「あ、ままわぶっ!」

彼女をかばうように抱える。
……何が起きたかはさて置き、この女性が常人ではないことは確かだ。

女性「そう警戒しなくて大丈夫よ。私はあなたの敵じゃないわ」

女性「そしてその子の敵でもない……。アラス・ラムス、よく無事に育ってくれたわね」

この女は、この場で一度も呼んでいないその名を呼んだ。


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