過去ログ - 恵美「もしも魔王の正体に気づかなかったら」3巻
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]
2013/07/06(土) 20:10:42.89 ID:6QX93pwdo
諦めて、私も目を閉じる。
すると少しして、彼は呟くように言ってきた。
真奥「お前が言ってた結婚云々って、本気か?」
恵美「そんなつまらない冗談言わないわよ」
また少しの間。
真奥「俺は甲斐性なしのフリーターだぞ」
恵美「……気にしてるの? あれこそほんの冗談みたいなもので、」
真奥「だから」
彼が語気を強める。
真奥「マクドナルドの正社員になれるまで待て」
真奥「それまでに、色々……ちーちゃんのこととかも、ちゃんとするから」
信じられない思いで彼を見る。
彼はそれ以上、口を開いてはくれなかったが、
恵美「……うん」
あの夜と同じように、アラス・ラムスごと抱きかかえるように、彼の背中を抱きしめた。
恵美「あのね、そしたら、そしたら」
真奥「……もう寝ろよ、明日仕事だろ」
恵美「やっぱりアラス・ラムスも弟か妹が居たほうが嬉しいと思うの。いいお姉ちゃんになってくれるんじゃないかなって」
真奥「寝ろよ頼むからぁぁぁ!」
彼が言うが、この喜びは抑えられそうになかった。
セフィラだの、逃げただけのガブリエルだの、色々とやっかいな話は尽きないが――
その先に待っているだろう未来を、私は信じる。
おしまい
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