過去ログ - 幸子「優しい優しい、プロデューサーさん」
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170: ◆S.3OfNv5Fw[saga]
2013/07/15(月) 10:40:12.88 ID:rh9YQKQy0

地響きのような歓声が、もやのかかったこの薄暗い空間に響いていた。
歓声が聞こえる方から誰かの名を呼ぶ声が聞こえる。
そして聞き覚えのある名前が呼ばれた。


「じゃあ――チャン、行ってくるにゃ」


今まで以上に気合いの入った猫衣装を着たみくが、手を振りながら階段を駆け上がって行った。
私もそれに応え「頑張れよー」と、みくの背中に声援を送った。
舞台に出て行った彼女を見送り、私は両手を腰に当て、小さく息をついた。

ついにこの日が来た。選挙結果発表の日が。
発表圏内に入ったアイドル五十名が、晴れやかなステージに招待され、ステージへと呼ばれてゆく。
私はそれを、他の同業者と共に、舞台の袖から見ていた。
舞台袖は今から名前を呼ばれるアイドルとプロデューサー達が氾濫し、言いようのない緊張感を生みだしていた。
私も、その一人であった。

私がこの場の空気に飲まれかけていると、ふと、とても小さな力で、背中を引っ張られた。
振りかえると、私の服を片手で一生懸命握っている幸子がいた。いつもの彼女とは思えない程、沈んだ印象を受けた。



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