過去ログ - 幸子「優しい優しい、プロデューサーさん」
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◆S.3OfNv5Fw
[saga]
2013/07/15(月) 23:58:22.34 ID:rh9YQKQy0
「ん? どうした幸子、もしかして期待したか?」
私は幸子と目線を合わせる為にかがみ、自分でもわかるくらい満面の笑みを作って、幸子の顔を覗き込んだ。
「ち、違いますよ! そんなわけないじゃないですか! な、なにニヤついてるんですか!
ちょ、ちょっと顔近いですよ! 近いですって……」
とりあえず私は勝利を確信したので、手を引く事にした。
「……そうだ。泣いてるより、拗ねたり顔を赤くして、口数が減らない幸子の方が幸子らしい。
「――さん……」
「でもやっぱり、笑ってる所が、やっぱり一番可愛いよ」
私は覗きこんだ姿勢のまま、彼女の頭をくしゃくしゃと撫でた。
「わわっ」と情けない声を上げて、幸子は私のいいようにされていた。
「……じゃあ、今度こそ行こうか」
彼女を解放し、私は出口の方を向いて彼女を促した。
「……はぁ、しょうがない人ですねぇ……すぐ帰りたがるとか、子供ですか――さんは。
いや、というかさっきのカウントダウンの時点で子供っぽ過ぎるんですよ……」
「何とでも言いなさい」
幸子は髪を直しながら、またいつもの憎まれ口を叩いていた。
しかし、そう言った彼女の顔には優しい笑顔を湛えられていた。
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