過去ログ - 幸子「優しい優しい、プロデューサーさん」
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◆S.3OfNv5Fw
[saga]
2013/07/21(日) 20:28:24.07 ID:3F74c3xT0
「おはようございます――さん。時間通りですね、偉いですよ!」
車を駆り、幸子の家まで向かえに行った。
時間通りに家に着くと、家の前で私が来るのを待っていた彼女はいつも通りの挨拶をしてくれた。
幸子は薄らと色づくように華が咲いた桃色と、その上に羽織られた清涼とした青で着飾られていた。
幸子らしく、上品であって可愛げのある服装だった。
玄関先では幸子の母親が幸子を見送りに来ていた。
私は二言三言、母親と会話をして幸子を車に乗せた。
幸子の両親にはどうやら私は気に入られているらしい。
私が人畜無害に見えるのか、はたまた誠実とでも見えるのか。
そのどちらも、随分な見当違いだが。
母親が手を振り私達を見送る。幸子は窓を開け、小さく母親に向けて手を振っていた。
通りを曲がると、幸子は窓を閉めて私に話しかけてきた。
「しかし、あれですね……カワイイボクがこうやってオシャレをして来たのに……。
褒めもしなければ、――さんに至ってはいつも通りの服だなんて……」
「え? あ、あぁ……そうだな。可愛いし、幸子らしくて似合ってると思うよ」
仕事以外で褒めるのはあまり無かった為、妙なむず痒さを覚えてしまった。
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