過去ログ - 幸子「優しい優しい、プロデューサーさん」
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272: ◆S.3OfNv5Fw[saga]
2013/08/04(日) 22:22:29.47 ID:lgRE4mqd0

彼女の頭を撫でてやる。彼女は目を瞑り、静かに顔を綻ばせた。
その表情を見て私は、今すぐにでも彼女を抱きしめたいという衝動に駆られた。
しかし何とか踏みとどまる。まだダメだ。彼女の口から、ハッキリと聞くまでは。

再び静寂が訪れた。私達が居た景色は遠ざかってゆく。この世界にいるのは私と幸子、この二人だけになったような気がした。
ずっとこのままでいいのかも、知れない。このまま、離れて行く世界に戻らないでいても。


「――さん」


私がこの幸せに耽ってぼんやりと外を眺めていると、ふいに幸子が私の名を呼んだ。
あの日、車内で流れたよそよそしい空気がまた戻ってきた。私は身構えた。


「……何だ?」

「……この間言った、約束の、ことですけど……」


幸子に視線を向ける。幸子は私の腕から離れ、真っ直ぐと私を見つめていた。
私も、彼女の目をじっと見つめた。


「……まぁ、何でも言ってくれ。お前の、努力に見合ったものを提示できるかは、わからないが……」


私は微笑みながら、何も緊張する事は無いと言うかのように彼女に言った。
しかし、彼女は私の予期する事とは違う事を口にし始めた。



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