過去ログ - 幸子「優しい優しい、プロデューサーさん」
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◆S.3OfNv5Fw
[saga]
2013/08/04(日) 22:46:50.09 ID:lgRE4mqd0
「……はいっ」
目元に涙を残しながらも、私の為に笑ってくれた。
彼女の顔を照らす夕焼けにも負けない、文句のつけようが無い満面の笑顔だった。
その笑顔に、私の全身が絆されるように熱を帯びた。
私は体は突き飛ばされるように動き、彼女の唇を奪っていた。
粘膜が触れ合うだけの、唇が重なるだけのキスだった。
だがたったそれだけで、私の体は縛られたように動かなくなった。
息をする事すら忘れ、私の芯を、鉄をも溶かすような熱い何かが突き抜けて行くような、そんな衝撃に縛られてしまった。
彼女も動かない。ただじっと、私と唇を重ねていた。
どのくらいそうしていたのかはわからない。
強く力を入れてしまえば、壊れてしまいそうな小さな体を抱きしめて、私達二人は固まっていた。
観覧車が暗がりに入り、もう少しで昇降口に戻るという所で息苦しさを感じて我に返り、私は慌てて彼女から唇を離した。
二人とも酸素を求め、荒々しく肩を上下させた。
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