過去ログ - 幸子「優しい優しい、プロデューサーさん」
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282: ◆S.3OfNv5Fw[saga]
2013/08/04(日) 22:55:32.64 ID:lgRE4mqd0

私達が言い合っていると、ふいに扉が開いた。
どうやら昇降口についてしまったようだ。
スタッフに促され、私達は慌てて観覧車から出た。何とか、あの場面は見られていなかったらしい。

夕日は私達が観覧車を降りたのとほぼ同じ頃に沈んでしまったらしい。
朱色を紺の波がゆっくりと飲みこんでいる。
既に周りは暗くなり、ガス灯を模した照明とアトラクションの華美なイルミネーションが、園内を煌々と照らしていた。
先程の熱にうなされたままの頭を振るい、私は平静のように幸子に話しかけた。


「……さて、もう最後のアトラクションに乗った事だし、車に戻ろうか」

「……そう、ですね」


意外な事に、幸子は先程の事を蒸し返そうともせず、私の手を握って歩き始めた。
私は彼女に引っ張っていかれるような形で、彼女に続いた。

土産を買うような事もせず、私達は慌しく時を過ごした遊園地から出てそのまま駐車場へと向かった。
斜陽は堕ちた。私達は車に乗り込み、この遊園地を後にした。



――


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