過去ログ - 幸子「優しい優しい、プロデューサーさん」
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298: ◆S.3OfNv5Fw[saga]
2013/08/07(水) 22:53:22.82 ID:Tc0xzzKq0


この状況でも、幸子は案外いつも通りであった。

――私の、勘違いでは無いのか?

幸子の姿を見てそんな考えがふと、私の脳裏に過った。
彼女は、まだ子供だ。況してや良い所のお嬢さんなのだ。
そういう知識を、持っていようか?
彼女にとっては、好きな人の家に行くだとか、あまつさえそこで食事をするだとか、そういうのが彼女の想像し得る限界なのではないか。
私のような、邪な考えなどきっと持ち合わせていないはずだ。
ただ、大人のやるような事の真似をして、あんな事をしただけなのではないか。

私の頭が、そう都合よく働いた。
大きく溜息をついた。ようやく、冷静さが戻ってきたようだ。
が、それと同時に消沈している自分がいる事もわかってしまった。

私はその考えを振りほどくように頭を小さく振るい、手に持っていた幸子と自分の荷物を廊下に下ろした。
努めて平静に。


「……もう荷物はここで良いか」

「えぇ。どうせ部屋は狭いんでしょうから、ここに置いた方が良いと思いますよ」

「言ってくれる……なぁ、幸子」




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