過去ログ - 幸子「優しい優しい、プロデューサーさん」
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◆S.3OfNv5Fw
[saga]
2013/07/07(日) 17:14:15.59 ID:qH1jWcyn0
鼻の奥をくすぐり、喉の奥を吊るす、淡い蒸気ような空気が。
その空気が部屋に流れ、沈み、私達の動きをゆっくりと、しかし力強く、操り始めていた。
逃れられぬ力に従い、私は隣に座る少女に視線を向けた。
少女も同様に、私を見つめていた。
年端もいかない彼女に似つかわしくない妖艶さが、目の奥で耀いているのが、見えてしまった。
その目から、声にならない声が聞こえる。
耳元で囁く甘言のように、私を惑わす、この視線から。
あの時と、同じだ。
熱の籠った視線が交錯する。
互いの目が逃れられない引力を生み、私達を引寄せる。
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