過去ログ - 幸子「優しい優しい、プロデューサーさん」
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88: ◆S.3OfNv5Fw[saga]
2013/07/09(火) 02:57:23.54 ID:IsKRm3XI0

外は雨が降っていた。雲が夜の暗闇に膜を張り、霧のような雨を垂らしていた。
時は、既に午後六時を回ろうとしていた。春の湿った空気の中で、夜の心地の良い冷たさが混じり始めている。
私はドアの前で傘を差し、彼女達が車に入る時雨に濡れないようにしてから、いそいそと三人を乗りこませる。

みくと愛海は東京出身では無い為、今は我が事務所の寮に住んでいる。
幸子は御両親のいる実家にいるが、寮の近くに実家が存在する為、送る時はこうして三人纏めて送る事にしている。
車の中で些細なコミュニケーションを取ることも、大事な事だ。

全員が中に入ったのを見て、傘を振るい、身をかがめて運転席に座った。


「よし、皆乗ったかな?」

「見ればわかるでしょうそれくらい。ほら、早く出して下さいよ――さん」

「はいはい……」

「――プロデューサー、ちょっとちょっと」


助手席に座る愛海が、何やら怨ずるような目で私を見てきた。



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