過去ログ - 【スーパーストリートファイターCROSS:StrikerS EDITION Ver.2013】
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37: ◆Jb4H4fHUCfVN[saga]
2013/07/12(金) 21:48:29.52 ID:ogbJQ20RO
「そんな…なのはさん!なのはさん!」
当然返事は無く、生きているのか死んでいるのかさえも分からない。

黒煙が少なくなって少し見渡しやすくなった。そしてあたしの目に飛び込んできたのは、背を向けて佇む一人の人。

以下略



38: ◆Jb4H4fHUCfVN[saga]
2013/07/12(金) 21:51:44.72 ID:ogbJQ20RO
……道着?
よく見ると赤い鉢巻きに黒い短髪、赤いグローブ、黒帯に…色は違うけど袖の無い道着、裸足。
まさか…こいつは……この人は……。

「リュウさん!リュウさんなんでしょ!?どうして…こんな事を!?」
以下略



39: ◆Jb4H4fHUCfVN[saga]
2013/07/12(金) 22:12:19.31 ID:ogbJQ20RO
あたしの声に反応したのか、その人はあたしにゆっくりと振り返る。
目に光は無く、その目はあたしに向いているのにもっと遠くの何かを見つめているように見えた。

リュウさんらしき人が口を開く。
「我は『拳(けん)を極めし者』。我は死合(しあい)を欲する…。貴様は死合うに値せず。滅びよ、娘…」
以下略



40: ◆Jb4H4fHUCfVN[saga]
2013/07/12(金) 22:17:23.55 ID:ogbJQ20RO
怖い。息苦しい。気を失いそう。何もかも忘れて倒れてしまいたい。でも…ここで倒れたら終わりだ。
「はあっ…はあっ…。(気圧されるな…倒れるな…相手から目を逸らすな!)」
呼吸を整えながら必死に自分を奮い立たせる。それでも震えは止まらず呼吸も苦しいままだ。
「(このままじゃ…!)」

以下略



41: ◆Jb4H4fHUCfVN[saga]
2013/07/12(金) 23:21:02.93 ID:ogbJQ20RO
「(来た…!)」
……あれ?体が動かない。
心は体を動かそうとしているのに体が言う事を聞いてくれない。視線を逸らす事さえ出来ない。

「(動け!動いて!)」
以下略



42: ◆Jb4H4fHUCfVN[saga]
2013/07/13(土) 22:31:55.89 ID:QiAonH/TO
胸に衝撃が走った。同時に吐血。
「(え…?)」
何が起こったのか理解できない。
異変のあった胸にゆっくりと視線を下ろす。
するとそこには肘までめり込んだ太い左腕があった。
以下略



43: ◆Jb4H4fHUCfVN[saga]
2013/07/13(土) 22:34:53.81 ID:QiAonH/TO
気付いたと同時に体は糸の切れた操り人形のように重力に逆らう力を失い、うなだれる。まるで百舌鳥の速贄だ。

その拳が引き抜かれると穴から血が止め処無く流れ落ち、引き抜かれた腕には肉片や血液が纏わり付いていく。
拳の形に空いた穴は向こう側の景色を覗かせていた。
そして腕の支えを失った体は地に倒れ伏すしかなかった。
以下略



44: ◆Jb4H4fHUCfVN[saga]
2013/07/13(土) 22:42:12.89 ID:QiAonH/TO
[0071年4月29日 ミッドチルダ 臨海第8空港近隣 メディカルセンター]
直後、閉じた目蓋に強い光が当たるのを感じた。

「(まぶしいなぁ。せっかくきもちよくねられるとおもったのに…。
…まぶしい?ここはどこ!?)」
以下略



45: ◆Jb4H4fHUCfVN[saga]
2013/07/13(土) 22:48:34.39 ID:QiAonH/TO
掌に感じる自分の胸板の感触。半信半疑で視線を胸に下ろす。
「あなが……ない」
よかった…あれは夢だったんだ。そうだよ。なのはさんがやられる訳がない。リュウさんがあんな恐ろしい化け物な訳がないじゃない。

顔が綻びる。
以下略



46: ◆Jb4H4fHUCfVN[saga]
2013/07/13(土) 22:52:17.95 ID:QiAonH/TO
[数日後]
治療がひと段落し、心も落ち着いたので一般病棟に移った。

目を覚ましたあたしはベッドで上半身を起こしながら、担当の看護士さんに集中治療室に運ばれた経緯を聞いた。
最初は安定していた容体が搬送中に急変して心臓が停止してしまい、搬送中の蘇生は叶わず緊急の蘇生を要していたかららしい。
以下略



47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/13(土) 23:54:56.75 ID:QiAonH/TO
「大丈夫?あなたは落ち着いたばかりなんだから、まだ無理しちゃ駄目よ?」
震える身体を看護士さんは優しく抱きしめてくれた。

「うん、だいじょうぶ。やなゆめをおもいだしちゃっただけだから。ありがとう、かんごしさん」
心配して声をかけてくれた看護士さんに作り笑顔で答える。
以下略



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