過去ログ - P「七夕の夜に」
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/07/08(月) 16:46:31.95 ID:yRUVMxLE0

「さーさーさのはーさーらさらー…何だっけ、この後」
「んー、のーきぐがどうとか、きんぎんざいほう?」
「違う!のきばに揺れる、お星さまキラキラ、きんぎんすなごでしょう」
「あーそうそう!流石はりっちゃん!」
「うんうん、耳年増だね!」
「それは意味が違ぁうっ!」

律子が、亜美と真美を怒鳴り、亜美と真美がそれを面白がって律子を煽る。
何時もの光景に安堵しながら、律子に声を掛ける。

「相変わらずだな、律子」
「お疲れ様です、プロデューサー。外回りはどうでした?」
「相変わらずだよ、どこも引っ張りダコでスケジュール調整に頭が痛い」
「嬉しい悩みですね」

心底意地悪そうな笑顔を、律子は浮かべた。

「俺は真剣だぞ?」
「はい、分かってます。私も手伝いますから」
「頼む」



「うふふっ、皆、楽しそうですねぇ」

あずささんが、缶ジュースを片手に、少し離れたところで微笑んでいた。

「そうですね、こうして集まるのも久々ですね…しかし、まさか社長が笹持ってくるとは」

視線を移せば、社長が満足げに笑っている。

「はっはっはっ!折角の七夕だ、我が765プロの発展とアイドル諸君の健やかな成長と活躍を祈って笹を持って来た、皆で短冊に願いを書き入れたまえ!はっはっはっはっ!」
「社長!何ですかこの、律子君の経理処理がもう少し甘くなりますようにって!」
「おおおっ、見つかってしまった、それでは私はこれから用事が出来たので、あとは若い君達だけで楽しみたまえ、では、さらばだ!はっはっはっ!」
「こらー!」

律子が動き出す前に、社長は歳の割には軽快なフットワークで逃げおおせてしまった。

「だそうです」
「へぇ、そうなんですか…」
「まあ、都内ですから流石に天の川は見えませんけど…ほら、あそこの明るい星、あれが、ベガで、こっちがアルタイル」

指さした先には、都会の空でも分かるくらい明るい星が、2つ。
ここから見れば拳3つ分ほどしか離れていないけれど、2つの星の間は光の速さで14年以上かかる距離。
それだけの距離を隔てられた、彦星と織姫は、どんな気持ちなのだろう?

「まあ、プロデューサーさん、お詳しいんですねぇ」
「小さいころから、星を見るのが好きで。星空を見てると、色々悩みが無くなると言うか」
「意外にロマンチストなんですねぇ」

あずささんが、クスクスと笑う。
ちょっとだけ、それにムッとする。
何だか、子ども扱いされてるようで。
一応、あなたより年上なんですよ?

「そうですか?現実を見てないだけですよ」
「…現実を、ですか?」

あずささんの訝しむような視線から顔を逸らして、空を見上げる。

「認めたくない現実だって、幾らでもあると思うんです。でも、それと自分の夢とかと、摺合せが出来るのが大人なんでしょうし」



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