過去ログ - P「泣いて 泣いて 泣き止んだら」
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26: ◆ZL3cxe4sn.
2013/07/08(月) 22:02:46.58 ID:kyEHZzFQ0
無意識のうちに私服に着替えていた。
控え室には私とアイツしか居ない。
P「怪我、なかった?」
伊織「無いわよ」
その声は初めて聞くような音色で。
泣きたくなるくらい、やさしい声だった。
P「うん。よかった」
伊織「……」
P「……帰ろうか」
伊織「怒ら、ないの」
P「怒らないよ」
伊織「……怒ればいいじゃない。責めればいいじゃない! あいつらみたいに! アンタも私が水瀬だから怒らないの! 水瀬だから自由にさせるの!
それともおままごとだから?! おままごとだからオーディションで失敗してもどうでもいいってわけ!!
責めればいいじゃない! 罵倒してなじればいいじゃない!! 全部、全部私が、悪いんだから……」
誰かに感情をぶちまけたかった。
この胸に詰まっているどす黒い感情の塊を誰かに投げつけたかった。
P「……伊織は悪くないよ。だから怒らないし責めない」
伊織「……意味わかんないわよ」
P「わからなくてもいいよ」
頭に手を置かれた。壊れ物を扱うような手つきで頭をなでられる。
駄々をこねる子供をなだめすかすように。
敵意も悪意も無い。
暖かい光みたいな手のひらの温度。
伊織「……血、ついてるわよ」
P「え? あ、本当だ。いつの間に? ごめんなさい拭くから待ってて」
伊織「このままでいいわよ。……バカ」
P「……バカは酷いなぁ」
伊織「うるさい。バカ」
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