過去ログ - 「全て恐ろしい」
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16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/10(水) 20:12:33.29 ID:XtIC8Swk0
彼女は目覚めた。ふかふかしているものが覆いかぶさっていたのですぐにベッドの中で寝ていたのだと認識した。部屋は彼女を残し誰も居なかった。
彼女は少し寂しかったがその寂しさも心の中に押し込み、ベッドから這い出て扉に近寄り扉を開けた。
キィという声を発し扉は開いた。扉の先には兄......と彼女の産み親が居た。

「おか...さん......?」

いるはずのない死人が目の前で動いていた。死人は生前の格好をしており、腐ることもなく生きていた頃のようにただそこに居た。

母「あら、妹。目覚めたのね。」

死人は生前の声を発し、彼女を惑わせた。生前の格好をして、生前の声を発し、生前の如く動き回り、生前のような性格をしている。まさに死人。生きているはずのない死人である。

彼女は自前の勘が働いたのか、少し後ろに下がった。恐怖の念が意思と正反対に彼女を動かしていた。お化け屋敷に入る前の警戒心を今持っていた。

死人は尚も生きているように振る舞う。まるで自分は人間だと、生きているのだと言いたげのように生を振る舞う。

母「妹?どうしたの?どこか具合が悪いの?」

彼女は警戒心、恐怖を打ち払い一歩踏み出た。何故だろうか?彼女は普段このような勇気はない。むしろ怯えているだけのチワワな毎日を送っていた。
それがどうである?今や彼女は死人に立ち向かう勇敢な妹だ。何かの意思が彼女に力を貸しているかのようにも感じられる。

母「妹?どうしたの?妹?大丈」

死人が偽りを言い切らないうちに、死人は廊下の少し先へと飛んでいった。彼女の拳が、死を吹き飛ばしたのだ。


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