過去ログ - とある一位の精神疾患case3. -SS速報VIP

過去ログ - とある一位の精神疾患case3.

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213: ◆toRuBXJ1L4YW[saga]
2013/09/15(日) 22:17:09.42 ID:uoZIyUCso

ざらついたノイズが環境音に掻き消される。

常盤台のエースだとか、電撃姫とか、
そんなままごとのような名前で褒めそやされる無力な小娘がそこにいた。

あの妹達と同じ顔をしているくせに、よくもそこまで子どもじみた表情になるものだ。

「動かないで！」

ちっぽけなゲームセンターのメダルを何かのお守りのようにかざす。
御坂美琴は怯えたような目つきで一方通行を睨みつけた。

「やめろ……御坂、」

どうでもよかった。

たかだか128手で殺せるような相手だ。
妹達に飽き飽きしていたときですら、ほんの気晴らしにもならない。
ボーナスステージとすら思えない、そんな生き物だ。

レベル５だろうが、第三位だろうが、そんなことはどうだっていい。
弱い生き物だ。

踏みつぶしただけですぐに死んでしまうような虫だ。
わざわざ踏みに行かないのは靴の裏が汚れるからだ。

勝手に反射されたメダルで自殺するのは、人の足の下に潜りこんできた虫の勝手だと
一方通行はオリジナルの超電磁砲からついと視線を外した。

忙しいのだ。

曲線を描いて一点に集中させた大気が音を上げた。

ひぃん、とむずかる声のような、タービン音のような。
耳鳴り程度の音が計算式と演算と能力によって育くまれ、上空に小さくまとまっていった。

発生した物は、爆発的な速度で成長していく。
上空高くにぽっと産まれたそれは、見る間に数十メートル級の球状に展開する。

学園都市の区画一つ分、丸ごと弾きとばしてもいいと思った。

実験も、開発も、研究も、何もかも煩わしい。

ここを弾きとばしてしまえば、もうしばらくは誰にも干渉されずに暮らしていける気がした。
放っておいてほしい。何物とも接触したくない。

誰にも触られたくない。

ギチギチに閉ざした脆い精神に、また何重にも鍵をかけ直す。

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