過去ログ - 静「ペーパー・バック・ライターは父親に憧れる」
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◆eUwxvhsdPM
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2013/08/09(金) 22:41:27.38 ID:znEwU6hC0
…………
ぶどうヶ丘中学校、体育館裏――
静「しっかし、まさかアンタが『年下』とはねーッ!あんだけエラソーにしといてさ〜〜中坊だなんて、ちょっぴりユルせんとこだけど……ま!あたしは大海原のよーに心が広いからねッ!気にしないであげるわよ〜〜」モグモグ
以下略
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◆eUwxvhsdPM
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2013/08/09(金) 22:44:03.34 ID:znEwU6hC0
双馬「サンジェルマンでサンドイッチ……まぁ、それは別にいいんだけどね。だけど、ドーナツが無いのはどういう事だい?ボックスサンドなんて僕は求めていないんだよ」モグモグ
静「ケッ!嫌なら食べなきゃいいでしょーッ?まったく、コニクたらしいガキねッ!それあたしの奢りだってのーッ」
双馬「せっかくだからもらってやってるだけだ。逆に感謝してほしいくらいだな」モグモグ
以下略
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◆eUwxvhsdPM
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2013/08/09(金) 22:45:31.38 ID:znEwU6hC0
双馬「その事だが、静。君、どうして僕に会いに来たんだい?」
静「どうして、って……何よ、会いに来ちゃあダメだったわけ?」
双馬「正直迷惑だな」
以下略
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◆eUwxvhsdPM
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2013/08/09(金) 22:47:07.39 ID:znEwU6hC0
双馬「……何だと?」
静「あたし、昨日アンタと話して……というより、もっともっと前からアンタとは話をしてたんだけど……どうしても、アンタが極悪人だとは思えなかった。……一緒にサンドイッチを食べて、その思いが確信に変わったわ。アンタは悪いヤツじゃあない」
双馬「……君、頭は大丈夫か?昨日言っただろう?僕は世界を大混乱の渦に巻き込もうとしているんだぜ?」
以下略
193
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◆eUwxvhsdPM
[saga]
2013/08/09(金) 22:48:13.57 ID:znEwU6hC0
静「……アンタ、前に言ってたわよね。校門で……『どうしても知りたい情報がある』『ある男の情報が知りたい』『スタンド能力の先へ行きたい』って」
双馬「……」
静「……『ある男』って、一体誰……?そいつの情報を知るために、『弓と矢』が必要だっていうの……?」
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◆eUwxvhsdPM
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2013/08/09(金) 22:49:30.92 ID:znEwU6hC0
双馬「……静。僕はドーナツが好きだ。あげたてで、穴があいてるやつだ。砂糖がまぶしてある、例のやつ」
静「?……ええ」
双馬「……しかし、幼少の時から好きだったわけじゃあないんだよ。僕がドーナツを好きになったのは、この生まれつきの才能……『スタンド能力』を、自在に使いこなせるようになってからだ」
以下略
195
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◆eUwxvhsdPM
[saga]
2013/08/09(金) 22:50:45.91 ID:znEwU6hC0
双馬は、地面に手を伸ばして『本』を取り出した。
『ペーパー・バック・ライター』の能力によって、地面の記憶を『本』にしたのだ。
その茶色い『本』をぺらぺらめくりながら、静になめらかに説明する。
双馬「父の名前は『蓮見琢馬』……右肩に馬のようなアザがあることから、『琢馬』という名前をつけられた。そのアザは僕の右肩にも受け継がれている。幼少期を児童養護施設で過ごし、『完全記憶能力』という稀有な才能を持つ。……そして、自身の母親を殺した者へ復讐するため、殺人を犯し、僕を産ませた。……自身の妹にね」
以下略
196
:
◆eUwxvhsdPM
[saga]
2013/08/09(金) 22:52:35.61 ID:znEwU6hC0
双馬「しかし……これは、あくまで『記憶』だ。ただの情報……」
静「ただの……ですって?」
双馬「ああ。……僕の父の人生というヤツは……たかだか380ページほどの本くらいの文章量で、全て表すことが出来たんだ」
以下略
197
:
◆eUwxvhsdPM
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2013/08/09(金) 22:53:38.90 ID:znEwU6hC0
双馬「どれだけ素晴らしい文章だとしても、どれだけつまらない物語だったとしても、僕らはそれに干渉することは出来ず、ただただ眺めて、一方的に共感して、一方的に感動を与えられ、一方的にフィナーレを読み、読まされることしか出来ないんだよ」
静「それって……本って、そういうモンでしょう?」
双馬「ああ。……それが、本の良い所であり、悪い所さ。……本は人間のように、話し合って新しいものになることは、絶対に出来ないんだよなあ……」
以下略
198
:
◆eUwxvhsdPM
[saga]
2013/08/09(金) 22:54:20.13 ID:znEwU6hC0
双馬「僕の能力は……地面から、物質から、文章を取り出すことしか出来ない。たとえどれだけリアルだとしても……過ぎ去った過去を『読む』事しか出来ないんだ」
静「それで……それが、どうしたっていうの……?アンタの能力と『弓と矢』……一体何の関係が?」
双馬「……君は知らないかもしれないが……かつて『吉良吉影』という男はやってのけたんだ。……自身にさらに『弓と矢』を使うことで、『スタンド能力』をさらに強力なものへと変えたんだ」
以下略
199
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◆eUwxvhsdPM
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2013/08/09(金) 22:55:26.06 ID:znEwU6hC0
双馬「僕の能力をさらに強力にすれば、静……もしかしたら、僕は『読む』以外にも、『聞いたり』『嗅いだり』『感じたり』出来るかもしれないだろう?そして、その過去の記録と……触れ合うことも出来るかもしれないじゃあないか」
静「……」
双馬「静、僕は……父親に会いたいんだ。ただ、ただ……それだけなんだよ。僕の目的は……幸せになりたいだけなんだ」
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