4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/10(水) 18:11:27.34 ID:DA+Auai20
Ebba『Es kam!!Es kam!!』
Ebba『Diese Person, durch die die Hexe kam, tötet uns!!』
その結界を埋め尽くすのは白蟻の群、白い蟻のボディに人間の腕をくっつけたような形。
それらは一斉にこっちを向いてがちがちと鋏角を鳴らした。
しるば「手厚い歓迎どうもありがとう、しかしかまっている暇はないのよねぇ?」
背負った蜂の使い魔が羽ばたいて、私の身を持ち上げた。
ちょうど広い洞窟で助かった、円形に彫り広げられた結界通路の中央を飛んでいく私に蟻の使い魔母をがちがち鳴らすだけ。
Ebba『Wir sind kein Viehbestand!!』
当然だ、蟻の使い魔は平面にしか這い出せない。
蟻は基本的に地面化壁を這うことしかできない二次元的な行動範囲しか持たない生き物なのだ。
しかし…
Edda『Ich muss kämpfen!!』
しるば「おっと、器用な奴がいるものね」
天井に這い上がった蟻の使い魔が雄たけびをあげながら急降下してくるが、適当にそれを腕に張り付けた蜂の針で薙ぎ払う。
そいつの行動を見て覚えたのか、それまで地面でうごめいていたアリたちが次々と壁をよじ登って天井から降り注いでくる。
しるば「ったく面倒くさいわね…!!」
蟻の雨が到達する前に、空間から蜂の使い魔を大量に召喚して隊列を組む。
棘は一列にささくれた螺旋を描き、ドリルでできた傘のようなものが出来上がる。
Edda『aaaaaaaaaa!!』
しるば「いいねこれ…さぁ、抵抗は無駄だ。早く立ちなさい…貴女自身、それを望んでるんでしょう…ね?」
蜂たちに感謝しながら、安全に結界をどんどん奥深くへと潜っていく。
やがて結界全体が流動して勝手に宝石のような飴玉で装飾された豪華絢爛な扉が寄ってくる。
魔女の居場所へと通じる扉だ。
Edda『Es wurde wieder wie es. Es wurde wieder wie es. 』
失意に沈んでいく白蟻たち、私は彼女らに敬意を表さない。
所詮家畜だ、くれてやる言葉もない。
しるば「ようやく来たわね、哀れな可愛い私の家畜」
その奥に鎮座するのは、女性だった。
それは女王だった。
醜く肥大化した卵のうの様な下半身を持つ異形、頭部もまた肥大化しておりその『祖』が人としての思考を捨てたことを暗に表している。
哀れなのは目をつけられたこと、哀れなのは捕まったこと。
それが果たして『祖』だったのかはわからない、ひたすら増殖を繰り返す魔女の性質から言っておそらくそれは使い魔から成長したものだったのだろう。
Inanna『Wie viele Zeiten wiederholen Sie? 』
しるば「聞くだけで鬱陶しい声…ね」
もぞもぞとした声で聞き取れない魔女の言葉に眉をひそめる。
そして飛び上がると蜂の使い魔を一斉に並べて魔女へ叩き付けるように解き放った。
11Res/10.65 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。