9: ◆bsVOk5U9Es[saga]
2013/07/10(水) 22:52:52.68 ID:cQFsek9Mo
「君、歳はいくつ?」
そんな取るに足らない事を考えていると、男性から声がかかる。
「え? 歳ですか。今は十五です。もうじき十六になりますけど。」
「近いのかい? 誕生日。」
「はい。来月の十五日です。」
「あと二週間とちょっとってところか。」
それじゃあ、皆と同じくらいだな。
小さく呟くと、目を閉じ顎に手を当て彼は何やら考え込んでいる様子である。
淡い期待が首をもたげる。しかしながら、それ以上に気になってしまったものが男性の釣竿であった。
今、魚がかかったらどうしようと少しハラハラ。
見れば高そうな一式である。果たして、もし食いついたとしても勝手に触って良いものだろうか。
そんな考えも杞憂に終わる。それが良いか悪いかはまた別の話であったが。
彼女たちに会ってみたくないかと、彼は言った。
瞳からは光を放ち、その口調は力強く。
そう、彼は言った。
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