過去ログ - 恵美「あなた何で日本語覚えたの」鈴乃「アニメとか」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/11(木) 00:27:12.64 ID:SKqE2bcJo
※うどんさん型崩れとメタ注意
恵美「は?」
耳を疑ったが、非常に残念なことに聞き間違いではないようだった。
鈴乃「アニメだけではないぞ。マンガ、ゲーム、ラノベ、声優ラジオなども嗜んだ」
鈴乃「日本の誇るオタク文化とやら全般を学んできた。日本と言えばコレらしいからな」
真面目な顔だった。
それはもう冗談の余地のないクソ真面目な顔だった。
鈴乃「ちなみにエミリア、あなたは今期どのアニメに注目している? いや、当然私は全部見るが」
恵美「知らないわよぉぉぉぉぉ!!」
喫茶店の中だということを気にする余裕もなく、私は絶叫した。
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2013/07/11(木) 00:28:06.07 ID:SKqE2bcJo
恵美「えぇとね、ちょっと、ちょっと待って」
頭を抱える。
おかしい、どういうことだ。
以下略
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2013/07/11(木) 00:28:40.24 ID:SKqE2bcJo
真剣に腕を組んで悩む彼女は、おそらく性根が真面目なのだろう。
色々と目にするうちに何だか変な方向に染まってしまったらしい。
……この世界に来て時代劇にハマった私にも、この世界の娯楽の多様さ、クオリティの高さは分からないでもない。
鈴乃「しかし"魔王"という存在は、魔の王という字のとおり、まさに悪の権化であるはずだが」
以下略
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2013/07/11(木) 00:29:14.41 ID:SKqE2bcJo
恵美「え、何? つまりあなたは、あいつらも実は良い奴だとか言いたいわけ?」
鈴乃「断定はしない。が、その可能性もあると思い今は観察している」
恵美「……言うまでもないけど、あいつらにどんなご大層な目的があろうと、エンテ・イスラに侵略したのは事実なのよ?」
以下略
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2013/07/11(木) 00:30:07.71 ID:SKqE2bcJo
恵美「……その若さで何言ってるのあなた」
鈴乃「ふん、十七の小娘が。私はなー、もう結構な年なんだぞ。なのに独身だぞ。あと数年もしたら独神になれるぞ」
手にしたアイスコーヒーで酔っ払ったかのようにヤケクソじみた態度になる。
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2013/07/11(木) 00:30:39.63 ID:SKqE2bcJo
恵美「……え、じゃあ何? 魔王のとこの家事手伝ってるのは何なの? 毒でも仕込んでんの?」
鈴乃「いや、普通に近所付き合いで。アパートの共同生活というやつに憧れていた」
鈴乃「欲を言えば犬を飼った未亡人の管理人さんが居れば満足だったが、ああいうのは現代じゃあまりないらしいな?」
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2013/07/11(木) 00:31:07.38 ID:SKqE2bcJo
鈴乃「恵美殿、ようやく勤務を終えられたか」
会社を出た私を待ち受けていたのは、両手に……アニメ絵の袋を携えた鈴乃だった。
恵美「……何してたの、あなた」
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2013/07/11(木) 00:31:35.47 ID:SKqE2bcJo
鈴乃「ではエミリア、魔王の偵察がてら、幡ヶ谷のマグロナルドにでも行こうか」
恵美「いや、何でよ……今日はもう帰してよ……休ませてよ……」
鈴乃「マグロナルド限定配信のモンスターが欲しいんだ」
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2013/07/11(木) 00:32:48.26 ID:SKqE2bcJo
鈴乃「千穂殿、やっはろー!」
千穂「あ、鈴乃さん、遊佐さん……や、やっはろー?」
恵美「付き合わなくていいわよ千穂ちゃん」
以下略
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2013/07/11(木) 00:33:15.50 ID:SKqE2bcJo
奢りなら、と頂くことにする。
大量のジャンクフードにうんざりしながら二人してもぐもぐと処理していたところ、
店に入ってきたおじさんから笹の木をもらった魔王達が飾り付けを始めた。
千穂「笹幡七夕祭りで飾るんですよ」
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2013/07/11(木) 00:33:48.56 ID:SKqE2bcJo
鈴乃と二人で、千穂ちゃんを自宅まで送り届けることになった。
昨日は目出し帽の暴漢に襲われたばかりだ、警戒するに越したことはあるまい。
鈴乃「ちなみにさっきの笹の木が発生させた魔力が客を呼んでいたが気づいていたかエミリア?」
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2013/07/11(木) 00:34:20.43 ID:SKqE2bcJo
呑気に言う千穂ちゃんについ叫ぶ。
いや、私としても今すぐ魔王を討伐するつもりはないが、奴が人畜無害などと認めるわけにはいかないのだ。
鈴乃「情けないぞエミリア! あなたはそれでも勇者か!」
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2013/07/11(木) 00:34:49.76 ID:SKqE2bcJo
千穂「え、じゃ、じゃあ結局真奥さんと戦うんですか?」
鈴乃「いや、彼は負の感情から魔力を集めるわけだから、彼の周りを平和に保てばいいんじゃないだろうか多分きっと」
鈴乃「そうだ、麗しき乙女が三人も揃っているんだし、部活でも作って彼のハーレム路線に変更はどうだろう」
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2013/07/11(木) 00:35:18.79 ID:SKqE2bcJo
恵美「くっ……」
気づけばどこかのビルの屋上にて、私は目出し帽の暴漢もとい大天使サリエルの目からビームを受けていた。
ドラゴンボールのゲームの「目から怪光線」とか「口から怪光線」ってあまりにも安直過ぎる名前じゃなかったかしら。
……ああ、駄目だ。疲労のせいか、何だか思考が鈴乃に毒されてきた気がする。
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2013/07/11(木) 00:35:49.78 ID:SKqE2bcJo
もしや、千穂ちゃんを助けに魔王が来たのだろうか。
だとしたら魔力のない今の魔王が鈴乃に敵うはずもない。
複雑な思いから彼女に視線を向けると……
鈴乃「だが断る」
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2013/07/11(木) 00:36:19.74 ID:SKqE2bcJo
サリエル「……正気か、ベル? 天界を崇める教会に仕える君が、大天使の僕に……」
鈴乃「黙れッ! そして聞けッ!」
彼女が髪に刺していた簪を抜き取り、"武身鉄光"の術で大槌に変化させる。
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2013/07/11(木) 00:36:50.44 ID:SKqE2bcJo
鈴乃「当たらなければどうということはない……! 武光烈波!」
そして繰り出された蹴りはサリエルの鳩尾に直撃した。
って蹴りか。
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2013/07/11(木) 00:37:21.40 ID:SKqE2bcJo
鈴乃「光に……なれぇぇぇぇぇッ!!」
サリエルの脳天に直撃する大槌。
ベキボキと聞こえちゃいけない音を全身から響かせつつ、サリエルは沈黙した。
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2013/07/11(木) 00:38:20.20 ID:SKqE2bcJo
漆原「ちょおおおベル、それガー不! なしでしょ!? それはなしでしょ!?」
鈴乃「黙れ、EVOも近いのだ。私は強くなるためには手段を選ばんぞ」
千穂「今、何もできずに一方的にやられたのが漆原さんですか?」
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2013/07/11(木) 00:38:54.57 ID:SKqE2bcJo
にしても、電気代が増えるだろうに、よくアルシエルが受け取ったものだ。
芦屋「……魔王様が、案外テレビっ子だということが判明してしまったのだ。あんなに喜ばれては撤去もできん」
無念そうに顔を歪める悪魔大元帥だった。
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2013/07/11(木) 00:39:21.19 ID:SKqE2bcJo
鈴乃「……む、しまった、対戦相手がいなくなった。エミリア、ちょうどいいし遊んでいかないか」
恵美「……もう何でもいいわ」
言葉どおり色々なものがどうでもよくなり、彼女の隣に座る。
以下略
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