過去ログ - 文才ないけど小説かく(実験)4
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118:ルカ(お題:妾の産んだ女の子と本妻の産んだ男の子) 4/6 ◆/xGGSe0F/E[saga sage]
2013/07/25(木) 18:10:27.07 ID:lYHSJ4eN0

 唐突に話は変わるが、僕の性に関する関心は、日に日に増大しつつあった。
 最初にも話した通り、僕の性事情はことごとく束縛され、僕は悶々とした日々を送ることが多かった。もちろんエロ本や
エロサイトを見なくたって、性欲を発散すること自体は可能だ。男にとってそれは毎日の日課みたいなものだし、自らの妄
想で自分を慰めることは男なら当然の様にできる技能なのだ。しかしながら、性欲が上手く抑えられない高校三年生の男子
に向けて、ずっと妄想だけで自分を慰め続けろと言うのは酷な事だった。そもそも僕は、性に関する具体的でリアルな妄想
と言うのが出来ないのだ。女性の裸というのを、僕は写真でも画像でも実物でも全く見たことがなかった。セックスと言う
のが一体何をどうして、どういう結果に落ち着く行為なのかすら、僕には今ひとつわかっていなかった。だから、僕の性に
関する妄想と言うのは、言わば一種のファンタジーのようなものだった。クラスメイトのちょっとかわいいと思っている女
の子が、勝手に服を脱がされて、勝手に僕に寄り添って、体を擦り付け合って、抱き合っているうちに僕が射精するのだ。
そして、そんなファンタジーしか描けない自分の性知識の拙さに、僕はコンプレックスに近い感情を抱いていた。だって、
現代には様々な性への誘惑が溢れていると言うのに、自分だけがその性の誘惑の外側に居て、性的なものに触れられずに檻
に閉じ込められて、悶々とした生活を送らなければならない。そのストレスも、閉塞感に溢れる僕の環境自体も、僕の性欲
の強さに拍車をかけているような、そんな気がしてならない。
 突然の告白になるけれど、正直に言って、僕はセックスをしてみたかった。
 高校生の男子にとって、セックスと言うのはいわば勲章みたいなものだった。「俺、昨日彼女とセックスしたんだ」と誰
かが言えば、そいつはまるで戦争で相手国の中枢機関を潰した英雄みたいな扱いを受けるのだ。僕のクラスメイトや知り合
いは、少なからず僕を追い抜いて英雄へとなっていった。僕も相手国の中枢機関を潰してみたかった。だが、僕にはセック
スをするような相手はいなかった。なぜなら、僕は不細工な顔立ちで、あまり人と話すのが得意ではないから彼女など出来
ないのだ。クラスメイトの女子たちは僕に恋愛感情を持つことなどありえないと思っているようだったし、僕も女の子と話
すのが苦手だから、僕らはお互いに境界線の外に踏み出さずに、ただそこに存在しているだけの遠い関係と見ているだけだ
った。彼女らが動物園の観光客で、僕が檻の中でオナニーをしている猿みたいな感じだ。
 もちろん僕は金持ちであり、それは女性たちにとって一種のステータスとなるのかもしれない。しかし、ただ金持ちと言
うだけで女性と付き合えると言うほど世の中は甘くない。少なくとも、お嬢様お坊ちゃまばかりが通う高校では、僕なんかに
興味を持つ女の子は全くと言っていいほどいなかった。そして学校以外で異性と出会う場なんか、僕にはほとんど与えられな
かった。瑠伽と会うことを除いて。
 僕は本当に、気が狂うほどにセックスと言う行為に憧れていた。しかし、僕は親父みたいにはなりたくなかった。僕は自分
がどうすればいいのか、本当に分からなくなる瞬間があった。



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